大好評のスピーカーキットが完成品モデルに

2012年に販売開始したスピーカーキット「Z800-FW168HR」は試聴会等で
多くの方から高い評価をいただき、累計販売台数は
発売から5年で1000ペアを超えました(キット・完成品含む)。

2017年、キットとしての販売は中止し、完成モデル「Z800-FW168HRS」として
デザインから大幅に刷新、音質面でもさらなる進化を遂げました。

Z800-FW168HRS (V3)

開発経緯のご紹介 〜 妥協のないハイエンドの音へ 〜

製品の開発までの経緯をご紹介します。
主に前作の「Z800-FW168HR」の開発時のものですが、内容は完成モデル「Z800-FW168HRS」と共通しています。

2つのハイエンドスピーカーユニット FW168HRとT250Dについての使いこなしのノウハウも書かれていますので、「自作スピーカーでハイエンドクラスのものを作ってみたい!」と考えている方も参考にしていただけたら幸いです。

開発経緯1 ハイエンドの2wayスピーカーキットは当初の予想を
大きく超える大ヒット作品に。

2WAYのスピーカーに使うユニットは随分前から決めていましたが、いざ販売するという段階になって大きな迷いが生じてしまいました。

数百万円のハイエンドに利用されているSPユニットが10万円程度で買えるのを考えれば格安を通り越して超格安なのですが、「スピーカーキット」で全部で10万円を超えるとなるとかなり高額な部類にはりますので、どれだけニーズがあるのか心配だったからです。

音に関しては一切の迷いはありませんでした。

恐らく日本で販売されている単品ユニットの中でハイエンドと言われているものはさほど多くはないと思いますが、Z800-FW168HRに搭載する2つのユニットFW168HRとT250Dは間違いなくハイエンドと呼ぶにふさわしいユニットであると確信を持っています。

この2つのユニットに関しては後で詳しく解説しますが、「ブログハイエンド自作スピーカー」の石田氏が利用されていて、 実際に音も聞き、完璧でした。
定価460万のハイエンドスピーカーAudiomachinaのPURE System MK2にも採用されています。

[左]石田氏のスピーカー
[右]AudiomachinaのPURE System MK2

ツィーターはFOSTEXのG2000という定価ペア130万のハイエンドスピーカーに使われているツィーターとほぼ同等品というT25RDという商品が一時限定販売されましが、音の違いはブラインドではT250Dとわかりませんでした。
( 実際使われているマグネシウムの口径や外観はほとんど同じです。)

性能には絶対の自信があったものの、キットという形式での価格面でどんな反応があるか見えない中での発売となったわけです。

しかし、蓋を開けてみますと「Z800-FW168HR」は2012年から2017年までに累計1058ペアを越す大ヒット作品となりました。
現在はスピーカーの仕様を進化させ、点音源タイプのバフルに変更したのを機に完成品としてのみ販売させていただくことにいたしました。

開発経緯2 名称の由来とスピーカーユニットについて

開発のきっかけとなったツィーター「T250D」

このスピーカーの名称はZ800-FW168HRですが、実はツィーターの名称をとってZ800-T250Dにするべきかかなり迷いました。

と申しますのは私がこのスピーカーを作りたいと思った部分はオーディオマシーナーに採用されたウーファー部分より、むしろ純マグネシウムツィーターT250Dにあったからです。

Z600で大売れしてくれたフルレンジのZ600-Alpair7とZ600-SAF80AMGも振動板にマグネシウムを利用していますが、100%マグネシウムではなく別の素材を含みます。

しかし、このT250Dは99.9%マグネシウム(純マグネシウム)の振動板でできたツィーターです。音は金属振動板にありがちなピーキーさが全くないというだけではなく、解像度が馬鹿高いことが最大の特徴です。

オーディオファンの方であればご存知かと思いますが、現在金属系のツィーターとしてハイエンドスピーカーに採用されるのは純マグネシウムかベリリウムを採用するメーカーが多く、有名どころではJBLのPROJECT EVEREST DD65000(片ch300万!)のツィーターにも純マグネシウムが採用されています。

PROJECT EVEREST DD65000

そしてこれはネットワーク調整にもよりますが音圧を上げても必ずといっていいほどでてくる金属系ツィーターの癖がでてこないので、どんどん音圧をあげていってしまいたくなるそんなツィーターです。

私は文章を書くプロではありませんので、なかなか上手くこのツィーターの音を表現する形容詞が見つかりませんがとにかく音が良いのです。

画像1をご覧ください。前面よりも背面のが豪華(笑)ですね。

画像1

画像2はフォステクスの説明書による純マグネシウムの解説です。

画像2

フルレンジ1発のようなエネルギッシュなウーファー「FW168HR」

FW168HRはFW168HPの後続のウーファーになります。私は168HPは利用したことがないのですが168HPに比べるとローエンドはさほど変わらずに中低域の量感自体が増したそうです。

ウーファー自体の特徴は振動板自体が重くないのでフルレンジのように高能率で音が前にポーンと飛び出してくるような抜群のスピード感とダンピングの効いた低音が特徴です。
(同じFOSTEXの16センチのウーファーFW168N と比較すると振動板の重さを示すm0は半分ぐらいです。)

ちなみに168HRのコーン紙の螺旋状の形状は振動板の重さを軽くすると剛性が保てなくなるので、このような複雑な形をしています。
(分割振動を抑える効果もあるとのこと)

単純にローエンドを伸ばしたいのであればFW168Nもありでしたが、今回は2wayでありながらフルレンジ1発のようなエネルギッシュな鳴りかた、そして定位感を実現するためにFW168HRを採用しました。

開発経緯3 [試作箱1] 初音出し初日の印象

1つめに試作したスピーカーエンクロージャーは標準箱より容積を大きくとり、ポートも取り外して後々調整できるようにしました。

ネットワークはめちゃくちゃ大事なのがわかっていましたから、後々調整できるように画像1の写真のような基板を作りました。はじめにセットしたのはぼFOSTEXの推奨値に近い値です。アッテネーターはつけずに固定抵抗で調整する方式にしました。

今回はネットワークに最も時間を費やされるのが予想されましたので、必要なネットワークパーツを奮発して主要な値のコイル・コンデンサ・固定抵抗は全て買い揃えてしまいました。

スピーカー完成直後はいつも音出しをしたくてうずうずしますが、箱を作るのは慣れていますがネットワークはモアイ以来なので、ネットワークの基板作りのほうによっぽど時間がかかってしまいました(汗)

とりあえず10時間ぐらいはエージングをしないと本領発揮できないのはいつものことなのですが、そんなのお構いなしでまずは初音出しのファーストインプレッションを書いときます。

ローエンドは40hzぐらいまでフルレンジに近いスピード感ある軽快な低音に加え、高域の分解能高すぎ!!

ネットワークが適当ですし、吸音材もこの時点で入れてません。エージングもまだまだです。高域のレベルが高く全くバランスがとれていないのですが、ユニットのポテンシャルの高さには久々に衝撃を受けました。

この時点では調整がまだまだですから、さすがにボーカル系などはZ600-Alpair7 の方が綺麗でしたが、クラシックソースに関してはフルレンジ1発では難しい音をきっちり分解して表現してくれていました。

「詰めていけば相当凄いことになる」
これが初日の感想です。

開発経緯4 音に磨きをかける短時間で効果的なエージング

音を良くするにはお金も時間もかかる場合が多いですが、ほとんどノーコストで音が良くなる最も楽しい時間はユニットの鳴らしはじめのエージングタイムです。

といっても私の場合はスピーカー設計が一つの仕事ですので時間を少しでも短縮して早く最初の堅い音を脱したいという気持があります。ここが終わらないと正確な音決めが難しくなるからです。

今回はZのメルマガ読者様で測定のプロフェッショナルであるI様が教えてくれた短時間で、煩くない(周りに迷惑をかけない)素晴らしい方法で僅か1週間で100時間近いエージングをいっきにかけました。

方法は写真のようにスピーカーをユニットで向かい合わせにして、スピーカーを逆相接続でピンクノイズをかけます。

この時点で低域から中低域はいっきに音圧が低下してくれますので、1日中低周波を浴びることから逃れることができます。

この状態では高域は消えませんので、厚手の毛布をできるだけたくさんかけてやります。(写真の毛布は薄いですが・・(笑))

これで高域レベルもかなり落ちてくれます。
アンプのボリュームを11時ぐらいまで上げていっても音はそれほど煩くありません。振動板がバクバクに動いているのが分かります。
※スピーカーユニットに結構負荷のかかる方法ですので真似される場合は自己責任のもとお願いします。

100時間後のエージングの音は…

ウーファーのエッジ・ダンパーがこなれて動きが良くなったのか低域の解像度が上がるとともに、すでに鳴らし初めから感動していたツィーターの高域もさらに音に磨きがかかりました。

開発経緯5 ネットワーク基板の新制作&試行錯誤を重ねた調整作業

恐らく現時点で高域の量感だけ絞ってやれば、市販の30万クラスとは十分いい勝負ができると思います。
しかし、450万のスピーカーに採用されているウーファーですから、そのレベルまで目指してやらなければこのハイエンドユニットに対して失礼というものです。

エージングが一段落した段階で本格的なネットワーク調整、吸音材調整、ポートの量感調整に移ろうと思ったのですが、最初に作ったネットワークの基板ではあまりにもやりにくかったので、新たに基板をもうひとつ作りました。

この基板を使っていけば短時間に様々なネットワークの組み合わせを試すことができると考えたのです。
(これを作った時点では可変式のアッテネーターを入れるのを想定していなかったことが次への反省点です。)

最初に作った基板
改良版

組み合わせは無限にありますがウーファーとツィーターのクロスをどこにとるか、そしてどのように接続させるかは非常に大事です。これはF特の測定も大事ですがほとんど耳を使ってやらなければならない非常に根気のいる作業です。

ウーファーはスルー、6db/octネットワーク、12db/octネットワークの3パターンを 800hz~5khzぐらいまで、ツィーターはスルーは無理ですから6db落と12db落ちの2 パターンを1khz~5khzまでの細かい組み合わせをひたすら取り替えながら複数のソースを聴きこんでいきました。

視聴2日目にして高域を固定抵抗で調整することがあまりに面倒になってしまい、可変抵抗式のアッテネーターに変更。高域の調整が楽になりました。そこから丸3 日間ネットワーク漬けの日々を送りました(疲)

T250Dの高域は非常に綺麗で解像度が高いのでどんどんクロスを下げたくなるのですが、800hzぐらいまで下げると定位感と解像度が最高潮に達しましたが、あまりにボーカルのラインが細くなりすぎて限界でした。

(説明書では1.5kまでと書かれているのであまりツィーターには良くありません。)上は上げすぎてしまうとほとんど美味しい帯域が削られてしまうので、ただ聴きやすいだけのスピーカーになってしまいます。

このスピーカーはその中間にクロスを持ってくることになりますが、今回のチューニングはこのツィーターを軸に考えてウーファーを決めると楽だと思います。

ウーファーはちょうどFW168NとFW168EΣの中間のようなウーファーでどちらかと言うとフルレンジよりです。ウーファースルーで高域のクロスを上げてやると(JBLの4312のような使い方です)長岡サウンドに近い鳴りっぷりの良いスピーカーになりますが、これはちょっとツィーターが可哀想というか勿体無い感じでした。

この時点までに得られた箱・ポート定数・ネットワーク定数でも相当なレベルにある自信はありました。けれど、さらに細部にわたるまで完璧なレベルにまで今回は持って行きたかったのです。

開発経緯6 「手作りスピーカー研究会」小玉邸での視聴

完璧を目指すために自作sp界では超有名なお二方(過去に軽く100台以上スピーカーを自作されている) の部屋にスピーカーを持ち込んで最後のダメだし・調整にご協力いただきました。

まずは、手作りスピーカー研究会の小玉さん(ネットでは「ko球さん」というペンネーム)の家にスピーカーを持ち込んでテストさせていただきました。

小玉さんのリスニングルームは木造の一般的な2階だての2階部分です。音の鳴り方はZユーザー様にも近いはずで、音圧も大爆音とまではいかなくても結構音を上げられるのでSPのテストには私の家より良い環境です。

小玉さんは主に小口径のフルレンジでのスピーカーを使ったシステムを長年研究されていて、特にフルレンジの吸音処理にかんしての知識と経験は半端ではありません。

私が調整したスピーカーをまず聞いて小玉さんが発した第一声は驚くものでした。
「非常に音が良いウーファーだね!!」

何故驚いたかというと小玉さんはどちらかと言うとフルレンジ好きで、ウーファーに良い評価を与えることはこれまでめったになかったからです。

私がセッティングしていったバスレフポートの長さで低域の量感はほぼOKか、ちょっと多いぐらいのご感想。FW168HRはHPに比べると低域の量感は稼ぎやすいのである程度箱は大きくした方が後々のチューニングは楽だという印象でした。

朝から調整の半分ぐらいはネットワークと測定に費やしたのですが、800hzから5khzまでのクロス位置の変更と、クロスのスロープ(スルー、6db、12db)と自作した調整板で徹底的に音をつめていきました。このネットワークの調整は最も骨の折れる作業でした。

詳しくは特別レポートの中で述べさせて頂きますが、クロスについては各人の視聴スタイルに合わせていける方法も発見できましたし、簡素なネットワークでよりフルレンジの鳴り方に近いネットワークも発見できました。

ある程度音が定まった段階で吸音処理に移ります。吸音材は2種類の吸音材を組み合わせて最適な吸音を聴感で追い込みました。

今回は「ハイエンドの音」が一つのテーマでありますので、極力箱からの癖と付帯音が少なく品位の高い音を目指すために、吸音材はいつもより多めの設定にしました。

この吸音材は素材も大事ですが、セットする位置というのが結構大事なんですね。ここは小玉さんから頂戴したノウハウをZ800-FW168HRに思いきり投入させていただいた部分です。

小玉さんの家でのチューニングを経て音質はさらにワンランク上の品位の高いものに生まれ変わりました。

視聴レビュー " 超が付くほどの高性能ユニットが自作パーツとして手に入り、
しかも、もうすぐ大山さんによる確かな設計のエンクロージャーに
組み込めるわけですから、これは期待大ですよね!! "

「手作りスピーカー研究会」小玉 忠弘 様

※ 小玉さんのサイトに掲載していただいた文章の一部と、写真のコピーです。

[左] 組み立て大山

本日は、音工房Zの大山さんの試作調整中のSPを聴くことができました!ユニットは、FostexのT250D(ツィーター)と、FW168HR(ウーハー)。箱の方式はバスレフ型。

皆さんはもう、両ユニットの能力はご存知ですよね。販売価格を遥かに超えた高いポテンシャル。超高級SPに搭載されても不思議ではない程の高音質…。

現在大山さんは、そんな両ユニットの高性能ぶりを最大限に活かすべく、箱の設計からネットワーク調整、吸音処理等を、何度も繰り返し行っているわけです。

本日は、その延長になるのですが、朝10時過ぎから夕方5時くらいまで、ネットワークの数パターンの聴き比べ→吸音処理→再度ネットワークの聴き比べという工程を繰り返し行いました。

私の意向で、昼食はレトルトカレーで済ませてもらい、短い時間を有効に使いましたが、やはり音決めは簡単ではありませんでした。何故ならユニットが良いだけに、こちらも望む音に妥協が出来ないからです。

結局"これで決定!"というところまでは到達できませんでしたが、基準となる音と、方向性の目星は付いたのではないかと思います。

基本的にはユニットの音を生かす方向ですので、Fos色が前面に出るわけですが、箱の基本設計や素材などで、これから大山サウンドが構築されていくことでしょう。

しかしまぁ、こんな超が付くほどの高性能ユニットが自作パーツとして手に入り、しかも、もうすぐ大山さんによる確かな設計のエンクロージャーに組み込めるわけですから、これは期待大ですよね!!!(…と、プレッシャーをかけてみる。)

開発経緯7 「ブログ・ハイエンド自作スピーカー」石田邸での視聴

続いて、翌々日の日曜日にステレオ誌のスピーカーグランプリ3連覇で有名なブログハイエンド自作スピーカーの石田さん宅(ネットではkenbeさんと呼ばれています)をお邪魔させていただきました。

このサイトの冒頭にも書きましたがこのZ800-FW168HRを設計した一番の大きな理由は石田さんが使っていたT250Dの音があまりに良かったからです。

石田さんの部屋は専用のリスニングルームで、超大音量でのスピーカーのテストができる上、部屋が完全にチューニングされています。良い音はその良さを最大限に引き立たせてくれますが、ピークやデップが大きいとそちらも際立たせてくれるのでスピーカーのテストには抜群の環境です。

低音は一般の木造に比べると量感が多くでるのがわかっていましたので、Z800-FW168HRのポートのチューニングは小玉さんの家に比べてさらに長く10hzほど下に下げてスピーカーを持参しました。

石田さんの家での視聴テストではまずポートの量感はほとんど問題がありませんでした。相変わらずFW168HRの特性から中低音の量感は多めで、200hzあたりの膨らみを指摘されましたが私にはほとんど分からないレベルです。

この日はほとんどネットワーク調整に時間を費やしていただいたのですが、これまでに試してきた教科書通りのネットワーク方法から一旦外れて石田さん聴感にまかせて、まずはウーファーのカット位置から調整に入りました。

調整の最中にもFW168HRとT250Dについての使いこなしで役にたつ情報をたくさんいただきました。

石田さんのメインのシステムは現在3wayプラスサブウーファーですがサブウーファーだけ切って私のシステムと瞬時の切り替えでテストをさせていただきました。3つぐらいのめのネットワークで視聴した時に石田さんから心強いお言葉をいただきました。

「このスピーカーは売れるよ!」

しかし、石田さんはウーファーとツィーターの繋がりにはまだ満足されず測定のプロフェッショナル渡辺さんに電話して急遽来てもらうことになりました。

1時間後ぐらいにリュックにパソコンを積んで鉄人渡辺さんが来ていただき、早速PCとマイクをセットするなり位相とF特を測定していただきました。そこからはデータと聴感を使ってのネットワーク追い込みがいっきにスムーズに進みました。

「音はこの部屋では完成だね!!」
石田さん、渡辺さんにもお褒めいただき1つだけ宿題をいただき家路につきました。

当日は他のお客様もいらしていたなかスピーカーを半日かけてテストさせていただきました。knebeさん、Wさん、ケイさんありがとうございました。

視聴レビュー " 我が家での鳴りっぷりは申し分ない仕上がりとなりました。"

「ブログハイエンド自作スピーカー」石田 健一 様

※ 石田さんのサイトに掲載していただいた文章の一部と、写真のコピーです。

測定中のwさん

暫くすると、大山さんから電話が入り、まもなくして合流して大山さんの試作2wayの試聴を開始。
小型の箱に、FW168HRとFT250D。

感想として、ウーハーとツイーターの繋がりがしっくり来ない。箱作は問題なく、むしろ賞賛に値する出来であったのでネットワークの変更を試みることにする。低域を、メーカー指定のネットワークを設定してツイーターを追い込むことにした。ほぼ良い感じのCの大きさは決まるが、何か感覚的に引っかかる。

相の確認をするとツイーターが逆相になっていた。これが原因で、しっくり来ない音になっていたようだ。これで8割方の音は決まり、ここで測定に入るところですが、生憎マイクアンプが壊れていて追い込みが出来ない。

そこで、鉄人wさんに連絡をして我が家に来てもらうことにした。wさんの登場で、一気に音の追い込みが進む。

wさんは相の確認、F特などトライ&測定でクロスポイントを的確に探り出す。

メーカー指定のウーハーのローパス帯域は約1500Hz付近、これだとFW168HRのピークを拾ってしまう。
このピークが、曲者で僕は2wayを3wayに変更した経緯がありました。(たまたま、M100HR-Wの販売があったので安易な道に進みました。)

そこで、ウーハーのローパス帯域を1500Hzから○○Hzに変更すると、一気に煩く聞こえていた声が聞き易くなる。こうなると、音の調整は早く進みます。

大山さんアイディアで簡単にネットワークの変更を可能にしています。

これだけの量のネットワーク素材があればこそ出来た音の探求。
無ければ…・中途半端な妥協の産物になった可能性もあった。

マイルームはルームチューンのお陰で、部屋から無用な音が出ることは少ないので、原音に何かしらの音を加える事も減らすことも無い状態で試聴が出来ます。
殆どSPの素の音が分かりますので、ちょっとした素子の違いなど分かりやすい環境になっています。

プロの商品となると色々な部屋の環境に合うSPの音作りが必要となりますが、我が家での鳴りっぷりは申し分ない仕上がりとなりました。今後の大山さんの追い込みを期待せずには入られないですね。

開発経緯8 [試作箱2] リニアフェイズ化によるさらなる調整

自分で調整し尽くしたシステムに、2人のコンサルタント宅でのアドバイスと鳴り方を聞いてほぼシステムは99%完成しました。

ただ、ひとつだけやり残したことがあります。それは石田邸で薦められたウーファーのリニアフェイズ化です。クロス付近での若干の高域のデップがありそれは、小玉邸でも石田邸でも測定されており、原因は位相クロス付近の位相の乱れから生じたものの可能性があり、リニアフェイズ化で解消してくれれば…

「もっと音が良くなるかも」と思うとどうしても我慢できずにリニアフェイズの試作を作りました。

2台目の試作はうまくいけば完成品として採用する方針でしたので、リニアフェイズにプラスしてこれまでスピーカーの設計販売に携わってきて得られた自身の経験と、お客様からいただいたたくさんのお声の全てを設計に投入しました。

その結果、測定上高域にあったディップがほとんど気にならなくなった上ウーファーとツィーターの音の繋がりがさらに良くなりました。

開発経緯9 「スピーカー再生技術研究会」会長 鈴木さんによる視聴

最後の最後。
スピーカー再生技術研究会の会長鈴木さんに視聴してもらい最後のダメだしをしてもらいました。

鈴木さんにいただいたアドバイスは使いこなしに関わる部分で自分でも忘れていた部分をご指摘くださいました。この知識はお客様サポートで非常に役立つものでした。

お忙しい中、突然のお願いにも関わらず快く引く受けてくださいまして、どうもありがとうございました。

視聴レビュー " 市販品と比較すると、価格が一桁上のシステムよりも
明確な音に感じました。"

多自由度バスレフシステム研究開発&スピーカー再生技術研究会会長 鈴木 茂 様

※ 鈴木さんのオーディオブログ2012年4/15、4/22の記事の一部を(http://mcap.exblog.jp/15051521/) 当方所持の写真を合わせてご本人のご許可のもと掲載させていただいております。

再認識したのは、セッティングの差です。(4/15の記事より)

昨日、音工房Zの大山さんのところにお邪魔して、高級機の新作を聞かせて頂きました。肝心の新作は、Fostexの高級ツィーターと高級ウーファーを使った2ウェイです。ユニットとネットワークだけで10万を超える高級システムです。部品単体で、2万前後のユニットを使うスピーカーシステムは数百万円級の製品だけらしいので、相当な高級機と云えます。

しかも、キャビネットにはバーチ材を使っています。箱は、リニアフェーズで、斜めカットがあり、自作でここまでやるのは大変ですね。いや、キットでも難しいかもしれません。

同じユニットを使ったものは、先日コイズミ無線で、浅尾さんのシステムを聞きました。コイズミ無線では、パワーを入れ過ぎていてよく分からなかったのですが、大山さんのところでは、適切な音量で聞くことができました。

箱は固まっていて、後は、ネットワークというところでした。ネットワークは紆余曲折、6dBクロス、12dBクロスと定数を変えながら何通りも試したそうです。ようやく固まったところで、最終確認というところでした。

昨日再認識したのは、セッティングの差です。
昨日訪問したとき、大山さんは、内向きにセッティングしてありました。自分は、実際に使われる状態を想定して平行にして聞いてみました。すると、大山さんが選考から落としかけたネットワークで、素晴らしい音が鳴り出してしまいました。こうなるとまた悩みます。

何通りかのバージョンを用意するのも実用的ではありません。どれかに最終決定することになるのですが、悩みは尽きないようです。自分の感想としては、もう十分に完成されたハイレベルなので、どれでも好みの差の範疇に入るかな、というところです。

大抵の部屋には、吸音性のモノが同居しており、また、平行な設置になるのではないかと思います。いずれにしても、部屋の状況に応じて、ユーザー自身がセッティングとアッテネータの目盛を決めなければなりません。

これは、他の市販のシステムでも同様なことです。高級ユニットを活かしてネットワークの楽しみ(苦しみ?)を付加したシステムの発売は楽しみですね。

癖がなく、強く、切れの良い素晴らしい音に仕上がりました。(4/22の記事より)

(前略)大山さんの工房では、Fostexの高級ユニットを使用した2ウェイの最終版を聞かせていただきました。

ネットワークは、最終的には、先週聞いた、高域を抑えめの案と廃案になりかけた、高域が少し強めの案との中間位になったそうです。結局は、Fostexの推奨に近くなったということです。メーカーはさすがですね。

最終的には、癖がなく、強く、切れの良い素晴らしい音に仕上がりました。市販品と比較すると、価格が一桁上のシステムよりも明確な音に感じました。

ユニットも箱もクラスが上の市販品のものより上質な部品、材料を使っています。そういう差を感じました。

バスレフのダクトは大山流に、少し控えめチューニングにしています。その控えめさが、高級な印象を与えています。ウーファーのFW168HRは、磁気回路が強力で、ダンピングが良いため、ダクトを多少強めにチューニングしてもブーミーにはならず、調整の範囲は広いと思います。

言い換えれば、好みによって無数のチューニングが出来るのですが、ここは、大山流の渋めのチューニングで、ここぞというときには、底力を出す音だと思います。もうすぐ販売開始だそうです。期待しましょう。

開発経緯10 キット商品から完成品(V3)へ

Z800-FW168HRはキット販売開始後は細かい改良を加えて来ましてV1からV2.4まで進化しました。
主にスピーカーキットとして組み立てを容易にするための改良で音については初代バージョンを継承してきたものでした。

Z800-FW168HRはこの度、デザインを大幅に刷新してキット販売を中止し完成品としてリニューアルいたしまして、Z800-FW168HRS(V3)として販売再開させていただきます。