Z505-Trento/Z505-TrentoS
音工房ZのロングセラーモデルZ800-FW168HRに25センチウーファーを追加し、ハイエンド3way化します。キット版のZ505-Trentoと完成品版Z505-TrentoSがあります。




- ■Z800-FW168HRに25センチwooferを追加し3way化。ローエンド・ミッドバスを強化。
- ■スピーカーユニット(Z-Trento・ゼットトレント)はZ800-FW168HRを3way化するために自社開発したオリジナルスピーカーユニットです。
- ■ハイエンドスピーカーを研究しつくして箱・ユニット・ネットワークを作り込みました。
- ■アンプにスピーカー2系統A/B出力があれば、2wayのオリジナルZ800-FW168HRとウーファーを追加した3wayのZ800-FW168HRを切り替えてお楽しみいただけます。
- ■エンクロージャー、ユニット、ネットワークを全て1セットでご提供いたします。
- ■エンクロージャーには24mm厚の強固なホワイトバーチベニヤを採用
- ■小型スピーカー、点音源スピーカーのサブウーファーとしても利用可能です。(フィルターが別途必要です)
開発経緯1
9年越しの念願大型ウーファーシステム
音工房Zでは2009年の開業以来大型のマルチウエイ用ウーファー/サブウーファーの販売はこれまで何度もチャレンジを試みてきましたが、いろいろな壁にぶち当たり販売することを断念してきました。
大型ウーファーエンクロージャーの販売の難しさは、何より使いこなしが容易ではなくこちらでやらなければならない実験が多すぎることがまず1つ。(音工房Zではお客様に再現性のある使いこなし方法を解説できない商品はダメだと考えているのです!)


そして、小型スピーカーの全盛時代に流れの真逆を行く商品を開発・販売することへの躊躇、製造や運搬に大きな負担がかかることも簡単には販売に踏み切れない理由でした。しかし、弊社では「他でやっていないことにチャレンジする精神を大事に、ニッチなオーディオ商品を提供する」という方針でやってきてお客様にご支持をいただけたと思っております。
大型ウーファーを使った商品は以前はありましたが最近はハイエンドの○百万のものばかり。自作キットなどでは皆無です。「他でやっていないからこそ音工房Zでやろう!」という軽い気持ちでスタートしましたが、、、、念願の大型ウーファーキットも販売を開始するまでに非常に時間がかかりました。気がついたら自社でオリジナルのウーファー(Z-Trento)を外注製作するところまできてしまいました。これまでに販売した商品の中で最も開発時間をかけたものであることは間違いありません。
9年間この商品の開発だけに集中していたわけではもちろんありませんが(笑)このページでは9年間に渡って少しずつ開発をしてきましたウーファーエンクロージャーシステムの開発ストーリーについて書きたいと思います。(一部話が前後しているところはご了承ください)
開発経緯2
何故大型ウーファーが必要なのか?
「大型ウーファー」の定義はここでは単発では25センチ以上の口径のもの。2発使いの場合は20センチ以上を2発とします。主にハイエンドスピーカーと言われる高級スピーカーが各社から販売されていますが、ほぼ上記構成に近い「大型ウーファー」を搭載したエンクロージャー構成であることが大半です。


ハイエンドスピーカーとは20Hzから50KHzあたりまでの広い帯域をフラットに低歪に再生するというスピーカーと定義すれば、空気の振動に近いローエンド再生には大型ウーファー(サブウーファー)の利用が必須になります。中には手の平に乗るような小型ブックシェルフスピーカーを100万以上の値段で販売されているメーカーもありますが、当然ローエンド(低域)は期待できないと考えてよいでしょう。
ローエンド帯域を「大型ウーファー」を使わないで再生するにはエンクロージャーの共振を利用する方法があります。例えばダブルバスレフ方式や共鳴管方式を使えば40Hz以下の帯域を出すこともできますが、低域の特性をフラットにすることは極めて困難です。小型密閉スピーカーで振動系を重くしてローエンド再生に挑戦した製品も過去にありましたが自然な音とは程遠く主流にはなりえませんでした。
つまり、30Hzあたりのローエンドから200Hzまで中低域を自然にフラットに出す為にはサイズの大きなエンクロージャーに大型のウーファーを入れて出す。こういう昔ながらの方式が今も一番理に適った方法であると考えます。
開発経緯3
開発の始まりはサブウーファー
音工房Zのウーファーシステムの開発は困難の連続でした。
当初は「サブウーファーキット」として弊社のスピーカーに合わせてご利用いただくものの販売を考えておりました。サブウーファーであればメインに利用するスピーカーをさほど選ばないと考えたのです。
しかし、サブウーファーはスピーカー本体を作るのは簡単ですが問題は高域をカットするフィルター回路とアンプが1番の問題です。ご存知のように市販のいわゆるアクティブのサブウーファーにはアナログフィルターとアンプが内蔵されているものが主流です。
これと同じものを弊社で作ることはできないので外注で作ってもらわなければなりませんでした。しかし、この回路を外注で制作してもらって作ったサブウーファーは当然市販の数あるサブウーファーと似た形式になり競合になりますから、それを大きく上回るアドバンテージがなければなりません。FOSTEXさんのCW250クラスよりレベルの高いものを半額程度でそれを上回るものを作れなければ自作する意味がありませんよね?そう考えた時にアナログフィルターとアンプを外注で作る考えはそうそうに捨てました。


私は以前にブログハイエンド自作スピーカーの石田氏に「安価なデジタルデバイダーとアンプを組み合わせてアナログフィルターでは絶対不可能なローエンドだけを綺麗に持ち上げる方法」を教えていただいており実際に利用しておりその効果の凄さは知っていました。
この方法は市販のサブウーファーの最大の欠点であるメインSPとの中低域のかぶりをほとんど気にならずにローエンドだけを持ち上げることができるので、市販品では何百万を積んでも到達できないサブウーファーをご提案できると思ったのです。(市販のサブウーファーを購入しても利用しなくなってしまった方も多いと思います。最大の原因はサブウーファーの中低域とメインスピーカーの中低域のかぶりを解消することができないという一言に尽きます)


このデジタルデバイダーを使った運用の優れている点はローエンド以外の中低域を48dB/octでばっさりカットしてしまうので中域のかぶりがほとんど出ない点。ローエンドだけをデジタル処理で持ち上げることができるのでスピーカーユニットや箱の能力に依存しないでローエンドを伸ばせる点。どのようなメインスピーカーにもほぼ合わせることができる点。40Hz以下だけに使う場合デジタルデバイダーのデメリットが出にくいといった点など多くのメリットがあります。(デメリットはデジタルデバイダー、プリアウトできる機材、パワーアンプが別にいることです。)
Z505-Trentoをデジタルデバイダーを使ってサブウーファーとして利用すれば、小型のフルレンジスピーカーや市販のスピーカーとも合わせることも可能です。商品をご購入いただいた方には「Z505をサブウーファーとして利用する方法を書いたPDFレポート」をプレゼントさせていただきます。ここには初心者には少しむずかしいデジタルデバイダーの設定方法が書かれています。
開発経緯4
自作3WAYでハイエンドSPに勝負
大型ウーファーシステムの開発は当初はサブウーファーの用途で考えていたことは前章でお話しましたが、途中からサブウーファーではなくネットワークを入れた3way構成でのハイエンドスピーカーに比肩できるものを自作品でご提供できないかという思いのほうが強くなってきました。 と申しますのは2way+サブウーファーと、ハイエンドスピーカーや銘器でよく利用される3wayとは音質が本質的に異なりまして3way化して勝負を挑みたかったというのが一番の大きな理由です。


ハイエンドスピーカーに負けないレベルのものをご提供すると決めた私は銘器と言われているスピーカーを中古ショップなどで入手するところからはじめました。やると決めたらとことんまでやらないと気が済まない性格のためB&W802(当時定価150万)、JBLS9800(当時定価300万)、YanahaNS1000M、DIATONEDS2000HRなどを次々購入しました。
3wayで勝負を挑む上で一番大事なことは最終的にはウーファーとスコーカーとツィーターのレベルをうまく調整することが大基本ということだとわかりました。つまりウーファー、スコーカー、ツィーターは能率がうまくあわない場合は箱やネットワークでは解決できずユニットから設計をし直す(別のものを使う)必要が生じてくるのです。


サブウーファーとして利用する場合はデジタルデバイダーとパワーアンプで音量調整をしますのでメインスピーカーに合わせるのは比較的容易に行えますが、3wayにして利用するには全体の能率をうまく合わせる必要があるために1つのウーファーで様々なスコーカーやツィーターと合わせるのが難しいのです。
そこで今回販売するZ505-Trentoは弊社のフラッグシップモデルであるZ800-FW168HRと一緒に使うことだけに焦点を絞って、Z800-FW168HRをさらなる高みを目指してゆくことに決めました。300万クラスのハイエンドスピーカーを1/10のコストで販売してゆくという高い目標を掲げました。
つまりZ505-Trentoはデジタルデバイダーを使ってサブウーファーとして様々なスピーカーと一緒にも使えますが、弊社が最もおすすめする方法はZ800-FW168HRとネットワーク方式であわせて3wayスピーカーとしてご利用いただくという方法になります。
開発経緯5
音工房Zのオリジナルウーファーの開発
(Z-Trento)
Z800-FW168HRを3way化してさらなる高みを目指すと大げさな書き方をしましたが、Z800-FW168HRは2wayとしては完成形に近い状態にありますので、これに大型ウーファーを追加して3way化した時にメリットと同時にデメリットがでることは予めわかっていました。
例えばB&Wの有名な3wayスピーカーである802と、2wayスピーカーである805を比較した時に、値段が5倍近く高い802のほうがどんなソースや視聴環境でも必ず上かと言われればそんなことは絶対にありえないということはオーディオの経験が少しでもある方なら分かっていただけるでしょう。
大型ウーファーを加えることで「ローエンドをもう少し伸ばしたい」「中低域の力感がもう少し欲しい」「ゆったりソフトな音質にしたい」という場合はプラスに働きますが、「定位を良くしたい」「切れ込みを重視したい」「シャープな音質にしたい」という場合はマイナスに働きます。
ですので、私が目指したウーファーシステムはZ800-FW168HRをオリジナルのままの2wayとしても聞けるし、大型ウーファー追加で3wayとしても聞ける(アンプのA/Bスイッチの切り替えとアッテネーターの調整程度で)。ソースによって使い分けれる、そんなウーファーやネットワークを作りこんでゆきたいと考えました。
Z800-FW168HRを3way化する場合FW168HRをスコーカー、T250Dをツィーターとして利用します。この時にどのようなウーファーが好ましいか?箱や市販ウーファーを試作していく中でいくつか市販のウーファーに候補が上がりましたが、最終的には弊社のオリジナルユニットをゼロから作ってゆくという非常に非常に長い道のりをとりました。

写真の上のユニットは市販品のウーファーで1年近くひたすらいろいろなものを試しました。当初は市販の規格品ウーファーを使うつもりでしたのでいろいろなメーカーのものを使ってみたのですが・・音、価格、能率など弊社が求めるウーファーで満足行くものを市販ウーファーに見つける事ができませんでした。
オリジナルユニット開発に乗り出したのは弊社の担当をしてくれている協力会社のエンジニアさんの一声でした。
「Z-800-FW168HRに合うユニットを大山さんが作ってみてはどうか?」
スピーカーユニットを作った経験はないのでエンジニアさんと二人三脚でこちらの要望をお話しながらユニットの試作品を2回ほど作っていただき最終的なものが出来上がりましたが、オリジナルのユニットの製作も最初の試作から「Z-Trento」が出来上がるまでさらに1年ほどの年月がかかりました。
一番最初に試作してもらった試作ユニットはサブウーファー用途にはぴったりでしたが、3way用のウーファーとして利用するには中低域が思い切り抜けてしまいました(こちらはちょっと事情があり画像は出せません)。また20センチ2発だとどうしても弊社のFW168HRなどと合わせると低音部分が出過ぎの状態でもう少し能率が低いものが好ましいと思いました。


次に20センチ2発と、25センチ1発のものを弊社の希望する音とコストを考えた上での外観で実際に試作してもらいました。20センチ2発はローエンドの伸びは良いのですがやはり能率全体が高すぎてうまくミッドと合わせることができませんでしたが、25センチ1発はZ800-FW168HRとうまくあいました。この試作をベースに細かい仕様を改善してゆくことに決めました。


市販の大型ウーファーを試したり、オリジナルウーファー制作を通じてわかったことを自作派の方に書き残しておきます。
■ウーファーの価格と音の関係について■
極端に格安なウーファーが販売されています。例えば30センチのウーファーで1本5000円以下のような商品ですが、このようなウーファーは大概マグネットが極端に小さくコストが削られているのがわかります。実際に音を出してみるとローエンドより「ドンドン」いうミッドバスだけがでる感じでこれでは使い物にならないことがわかりました。
一方高級のウーファーや昔の名機と呼ばれているものは1本10万円以上の高額なものもざらにあります。高級なユニットの中には優れたものもありましたが、中には価格だけで音は・・・なものもあり単純に価格だけで判断するのが難しく感じました。ウーファー単体の性能もありますが、スコーカー・ツィーターと合わせるものによっても評価が変わるのでフルレンジのような単体での性能評価が難しいことも感じました。
■口径について■
最終的には25センチのウーファー1発に決定しましたが、これは様々な要因が複雑に絡んでいて実験後に標準を25センチ1発に決めました。
まず30センチ口径以上のウーファーは一定の品質を求めるとユニット自体の価格が一気に高くなります。30センチや38センチでないと再現しにくい音もありますが、コストが高くなる割には失うものもたくさんあります。スピード感や切れ感、能率が高く3wayウーファーとして使いにくい、そしてスペースファクターが一気に悪くなることなどが採用に至らなかった理由です。(30センチや38センチが決して悪いわけではなく、Z800-FW168HRと合わす商品として考えた時良いものがなかったということです。)
20センチ2発という構成は非常に魅力的です。25センチ1発より振動板面積が大きいのでローエンドは伸ばしやすいし、スピード感や切れ感も25センチ1発より良好なケースが多い。標準をこちらにするかは最後の最後まで悩みましたが、弊社のZ800に合ったのが25センチ1発だったため25センチを採用しました。
■振動板の重さ■
ウーファーは振動板が重くローエンドだけを伸ばす目的のサブウーファー用のユニットから、中くらいの重さであるミッドバスまでのびる一般的なウーファー、そしてフルレンジに用いられるような軽量振動板。当然その中間の性質を持つものまで様々です。最初に試作で作ってもらったものはサブウーファー用のため振動板が重くてW168HRをスコーカーとすると全く繋がりませんでしたが、Z800専用に考えてからは多少振動板を軽くすることでミッドバスとのつながりがよくなりました。
■マグネットについて■
基本的には欲しい音に対して適切なマグネットサイズがあります。大きければ大きいほど良いわけではないですし、小さいから悪いわけではありません。(しかし明らかにコストダウンのための小さなマグネットは低音が制動できずボンボンした中域だけでるユニットになります)マグネットの磁束を強くしてゆくと基本オーバーダンピング傾向のユニットで、低音がでにくいハイアガリなユニットとなりますが、これはウーファー用途には向いておりません。Z-TrentoはZ800-FW168HRをスコーカーとして利用する上で最適な磁束を計算にいれてマグネットを設計してもらいました。
開発経緯6
ブラインドテスト比較
「Z-Trento」の2本目の試作ができた時にこのウーファーユニットとZ800-FW168HRを使ったハイエンドスピーカーとブラインドテスト比較をした時にどのくらいの実力があるのかを知りたくなりました。開発スタッフである私と青木はすでにブラインド比較で大型ウーファーを使った市販のハイエンドや銘器との差はわからないところまで来ていましたが、他の人の評価も聞きたくなったのです。
そこでまずは手始めに音工房Zのスタッフ全員でのブラインドテストを行いました。ここで比較したスピーカーはヤマハのNS1000MとDIATONEのDS2000HRの2機種です。音圧を可能な限り合わせて様々なソースを10曲選び、どちらのスピーカーが鳴っているかわからない状態で好みのスピーカーを書いてもらいました(テスト方法はこちら。テスト結果集計はこちら。テスト個別全解答用紙はこちら)結果的には箱・ユニット・ネットワーク全て試作段階にも関わらず「Z-Trento」のほうが上回りました。


続いてお客様を試聴会にお呼びしてB&W802(20センチ*2発)とのブラインドテスト視聴比較をしました。こちらも自社で行いましたブラインドテストと全く同じ方式で様々なジャンルの音楽10曲をどちらのスピーカーが鳴っているかわからない状態で聞いていただいて好みのスピーカーを書いてもらいました。(テスト方法はこちら。テスト集計結果はこちら。テスト個別全解答用紙はこちら)総合点では若干弊社の試作品が得票率で上回りました。


全て試作段階にも関わらずハイエンドスピーカーとブラインド比較して高いレベルにあることを確認でき一段と自信がつきました。ここからエンクロージャー・ネットワークの細かいチューニングを積み重ね最高の音質にもっていくことをめざしてゆきます。
開発経緯7
エンクロージャーの開発
エンクロージャーの開発はあまりに時間がかかったため最初のころに作ったエンクロージャーは処分してしまっておりますが、工場に残っていたウーファー開発に使ったエンクロージャーの一部が下の写真です。エンクロージャー開発は実際はユニットやネットワークなどと並行して作業を行っており膨大な時間がかかったため時系列に書くことが難しいですが、弊社の箱作りのノウハウを全て投入して設計を行いました。

開発当初から長岡鉄男先生のモアイのようにウーファーエンクロージャーの上にメインスピーカーを載せて使えるようなものを想定して設計・試作を繰り返してきました。ウーファーに利用するエンクロージャーのサイズ(容積)についてはかなり早い段階で次のような結論がでていました。
「容積は大きければ大きいほどローエンドが良く伸びて好ましい。しかしユーザー様の限られた環境の中で利用することを考えるとサイズは考え抜く必要がある」
その結果、上の写真のように似たサイズのエンクロージャーを大量に試作することになりました。「音だけ」に拘るのであれば単純に容積が大きいほうが有利なのですが、スピーカーは実際に皆様のリスニングルームに置いて利用されるわけですので、できるだけ小さいほうが好ましい。
これはウーファーエンクロージャーに限らずフルレンジ1発でも同じですが、、スピーカーの低域は箱のサイズ(内容積)によって決まる部分が大きく、ローエンドがよく出るユニットを使っても箱を小さくすると低音がでなくなってしまいます。しかし極端に巨大なサイズにして実用性を無視することはできないため、、、ちょうど実用的にもそこまでスペースをとらない商品で音も納得のいくところでサイズ(72L)に決定しました。


■板厚・材質について■
ベニヤはパーチクルボード・MDF・ホワイトバーチベニヤで18mmから30mmまでいろいろ試してゆきました。25センチクラスのウーファーを受け止めるエンクロージャーは板厚が薄すぎるとエンクロージャーの共振が酷く音にも悪影響があるので、薄すぎるベニヤはNGです。
しかしだからといって板厚をあまりに厚く設計すると、箱の共振は少なくなりますが、内容積が狭くしか設計できず結果的に良質な低音を取り出すことができなくなります。実用的にも不便で男性一人で移動することのできないエンクロージャーになってしまいます。
弊社がとりました方式はエンクロージャーベニヤ全体は24mmのホワイトバーチベニヤを使い、ところどころに補強を入れるという方法です。補強を入れるやりかたはいろいろな方法がありますが、端材を使えるのでコストダウンが可能である点、重くなりすぎずかつ必要なところだけ強度アップが図れます。
今回はこの補強板を工夫して箱内部で発生する定在波低減、吸音材の効率アップを目指すという一石三鳥を狙いました。(弊社で単品販売している乱反射ブロックのアイデアを補強板に使いました。)


■密閉orバスレフ■
ウーファーエンクロージャーの設計にあたり密閉箱として設計するか、バスレフ箱として設計するかという問題があります。弊社でもZ800-FW168HRを上に載せた3wayのテストは密閉・バスレフともに相当数繰り返してきました。Z800-FW168HRと合わせて3WAYで利用する場合はバスレフが適していますが、デジタルデバイダーを使ってローエンドだけを持ち上げて使うサブウーファーのような使いかたをする場合は密閉が良かったのです。そこで背面の蓋をすると密閉に、蓋をあけて使うとバスレフになり使い分けができるようになっており好みでチューニングを可能にしました。(使いこなしのPDFレポートにて詳しく説明いたします)


■専用テーパーダクト付属■
バスレフダクトの試作段階では一般的な円形のものを利用していましたが、長さが20センチくらいになるとどうしてもダクトの癖(いわゆるバスレフ臭さ)が気になっていました。これを解決するには単純にダクトを短くするか内部にフェルトを貼るなどの方法で癖を回避していましたが当然デメリットもありました。
1.5度のテーパー付きダクトはブログハイエンド自作スピーカーの石田氏に以前に教えていただいていたものを今回試してみたところ、「癖の低減」と合わせて「僅かなローエンド量感アップ」という嬉しいおまけが付いてきました。テーパーダクトを開発している海外メーカーに利用したい旨を伝えたところご快諾をいただき、今回のスピーカーに採用となりました。


■吸音材調整
今回のエンクロージャーにはフェルトを結構多めに使っています。大型エンクロージャーにおいては高域のカットと合わせて、ローエンドの拡張・ミッドバスの吸音等非常に効果が高いことがわかりました。スピーカーユニットとの相性も良かったのでエンクロージャー6面に2重のフェルトを貼っていただくことを標準として付属することにいたしました。(内部にさらに吸音材を詰めることで音の調整も可能で、こちらは使いこなしのレポートに記載いたしました。)
箱は何度試作を作ったかわからないほど作り直し、本番のエンクロージャーも何個も作りましたが力作ができたと思っております。
開発経緯8
ネットワーク調整
今回の「Z505-Trento」の実験で最も時間を費やしたのが3way用にする場合のネットワーク開発、およびサブウーファーで利用する場合のクロスポイントのテストです。開発にかかっている時間で最も多くの時間はZ505-Trentoにスコーカー、ツィーターをつけNW調整→視聴→NW再調整の繰り返しに費やしました。ネットワークを変えながらダクト調整や、吸音材調整を行う部分も含みます。
テストをする際は当初はセレクターで隣に繋いだハイエンドスピーカーを置きどちらが鳴っているかわからない状態にしながらハイエンドスピーカーを目指してネットワークを組んでゆきました。ハイエンドSPとレベルの差がわからないとこまで来たらあとは音工房独自の方法でさらにそれをブラッシュアップしてゆきました。


最初はなかなか良いクロスポイントや能率合わせがうまくいかなかったりしましたが、徐々にコツをつかみだしまして目隠しをして聞いてもどっちがどっちがわからない、もしくは音工房のSPのほうが音が良く聞こえるネットワークを組めるようになってきました。
このテストは頻繁に定数を変えるためにいちいちコンデンサーやコイルを用意していたのでは、膨大な時間がかかってしまいます。そこで↓の写真のようなクロスポイントを一瞬で変更できるようにしたネットワークボックスを作りましたところ短時間で大量のネットワークテストが可能になりました。(写真左が初期バーション、写真右が改良版です。)


弊社のZ505-Trentoをご購入いただくと使いこなしレポートにネットワーク、ダクト定数等を数パターン書いてありましてお客様の好みの音質に調整することも可能にしております。
非常に長い開発時間をかけて制作した弊社のZ505-TrentoはZ800-FW168HR専用の25センチ大型ウーファー付きの商品となりました。ここまで時間がかかったのはオリジナルのユニットを制作した点、そして何よりハイエンドスピーカーや銘器を実際にいくつも購入しそれに負けないレベルのものをご提供したくブラインドテストなどを繰り返していたことが最大の要因です。
「自作でハイエンドを実現する」ということを長く言い続けておりましたがZ505-Trentoの開発を終えて一つの結論を出せたと思っております。
Z505-Trento(S)の特長
1. Z800-FW168HRをハイエンド3wayにします


Z800-FW168HRに25センチウーファーを追加し3WAYスピーカーにする商品です。ローエンドの拡張、余裕のミッドバスを実現します。音工房Z専用設計のエンクロージャーです。キットと完成品(S)がございます。
※写真のインシュレーターは商品に含まれておりません。
2. Z800-FW168HRをグレードアップする専用ユニット「Z-Trento」


Z800-FW168HRをハイエンド3WAYにするために開発した音工房Zのオリジナルスピーカーユニット「Z-Trento」2つを付属します。
3. ハイエンドSPとブラインドテストをして得られた最強ネットワーク


膨大な時間をハイエンドスピーカーとのブラインドテスト比較した結果から得られた音工房Z一押しのネットワークを付属します。使いこなしのレポートにはご自身でネットワークを変更してお楽しみいただくために、お客様の好みに合わせた数パターンのネットワークを書きました。商品にはネットワーク、専用基板、取り付けのためのバンドを付属します。
4. バスレフ⇔密閉を後々変更可能にする背面蓋加工/テーパー付きダクト付属


背面に設置したプレ加工済のバスレフダクトの穴は蓋を閉めると密閉、蓋を開けるとバスレフ方式でご利用いただけます。Z800-FW168HRとご利用いただく場合は基本おすすめはバスレフでご利用いただきますが、サブウーファーとして利用する場合や低域量感を変更したい場合は密閉への変更も可能です。バスレフダクトは1.5度テーパー付きダクトを付属します。
5.エンクロージャーを補強し内部の音波を整えるV溝加工補強板付属


エンクロージャーの内部四方にV字プレ加工を予めほどこした24mm厚のバーチベニヤを付属します。エンクロージャーの共振を抑える効果とともに、平行面を極力減らし定在波の低減効果が期待できます。また補強板の隙間は内部に貼る吸音材の効果も高めます。
6. ダボプレ加工による強固な接着力。そして圧倒的な組み立てやすさ。


エンクロージャーにはプレダボ加工を施しました。ウーファーエンクロージャーに求められる強固な接着力を確保します。また初心者でも組み立て安い仕様となっております。(キット製品についてのみになります。)
7.24mm厚のホワイトバーチベニヤ採用/オリジナルサブバフル付属


25センチウーファーの振動を受け止めるために24mm厚のホワイトバーチベニヤを採用いたしました。スピーカーユニット部分はオリジナルサブバフルを利用することで30mm厚になります。スピーカーユニットはサブバフル背面から取り付ける方式です。
- ■バナナプラグ対応独立型高級ターミナル付属
- ■吸音材(フェルト)を付属
- ■音道幅±1mmまで保証の高精度カット
- ■内部配線に高品位OFCスピーカーケーブルを標準付属
- ■サブバフル取り付けの為の鬼目ナットの下穴を加工済み
(ユニットとサブバフルは木ねじで止める仕様です) - ■埼玉県の自社工場で全ての加工を行っております
Z505-Trento 視聴動画
音工房Zリスニングルーム内でZ505-Trento&Z800-FW168HR を生録しました。ヘッドフォンでご視聴ください。実際にご視聴を希望の場合は試聴会を定期的に開催しております。
1. メールでの直接相談にお応えします。
代表の大山へ直接メールによる相談をすることができます。
スピーカーの制作、塗装、音出し、セッティング等で迷われたことがありましたらメールでご質問ください。
2営業日以内のご返信を心がけています。
(購入時メールサポート”希望する”をチェックしてください)
2. サポートメルマガをご購読いただけます。
音工房Zの商品を購入したいただいたお客様だけが受け取ることができる”サポートメルマガ”を定期的に受け取ることができます。 サポートメルマガでは新商品の割引案内や、通常メルマガには書けないコンテンツを配信予定です。 (購入時メールサポート"希望する"をチェックしてください)
Zユーザー様は過去配信のサポートメールの重要な部分をまとめた「購入者様専用サポートページ」にアクセスできます。
3. 「使いこなしレポート」をダウンロードいただけます。
スピーカー自作初心者でも安心して組めるように、写真入りの詳しい組み立て方法を書いております。ネットワーク調整、吸音材の調整、密閉/バスレフの細かい使いこなしまでを徹底サポートする「使いこなしレポート」が購入者特典ページからダウンロードできます。サブウーファーとして運用するためのデジタルデバイダーの使い方等もレポートに書いてあります。
4. 木工塗装動画セミナーZ200・Z201・Z202・突板貼り動画セミナーを無料プレゼント。

ハイエンドスピーカー並の仕上がりを実現する為の動画教材「木工塗装の動画セミナーZ200・Z201・Z202・突板貼り動画セミナー」を無料でプレゼントいたします。PCもしくはスマートフォンでストリーミング再生・閲覧が可能です(非売品)。
試聴会参加者様の声
“ Z505を追加した3WAYの効果がはっきりわかるのはロック、 ジャズ、ファンクなどで、低音の量感、歯切れが向上するのに加えて、 小編成の個々の楽器、人声の輪郭がずっとくっきりして、音色も魅力を増します。”
ご視聴者様木下哲夫様
「今回の試聴会に参加した目的は以下の通りです。
(1)自分でキットを組み立てたZ800-FW168HRが本来の能力を発揮しているかを音工房にある同機種と比べて確かめる
(2)音工房では自宅のものより高価なアンプを使用しているので
、それによる音質の違いを確かめる
(3)Z505を追加すると、どれくらい音が良くなるかを確かめる
Z505を追加した3WAYの効果がはっきりわかるのはロック、 ジャズ、ファンクなどで、低音の量感、歯切れが向上するのに加えて、 小編成の個々の楽器、人声の輪郭がずっとくっきりして、音色も魅力を 増します。ただ、クラシックの場合には、それほど効果が顕著に表れ ることはないように思いました。
B&WとFW168の3WAYの聴き比べは、たいへんに興味深 いものでした。好きな方にチェックを入れるように言われましたが 、音の違いを聴き分ける方に関心があったので、好き嫌いよりも家の 音と似ているかいないかを基準にして、似ていないと思った方 (つまりB&W)にチェックを入れました。
聴き分けに関しては聞き慣れているクラシックと和太鼓につ いては4問すべて正解、あまり耳に馴染みのないジャズなどは6 問中3問正解。といことは、ほとんど違いが判らないようです。
というわけで、クラシックについては聴き分けられたのですが 、チェックを入れたのはB&Wと思った方で、あとで配られた回 答表を見ると、これが実はFW168だったのには唖然としました 。あまりびっくりして、主催者にひょっとすると回答の方が間違って いるのではないかと尋ねるのを忘れてしまいましたが、どうもそう いうことはないようですね。
家ではウィーン・アコースティックスのモーツァルト・グランデ SEとFW168を今回の試聴会のように横に並べて、時々切り換 えて鳴らしています。FW168の音の特徴がウィーン・アコース ティックスとB&Wの中間の位置するとすれば、試聴会でB&Wと FW168を取り違えた説明がつきそうですが、どうなのでしょう。」
“ Z505-Trentoを加えたときの音の変化は、
そうした能力の高さを遙かに超えたものでした”
ご視聴者様タケパパ様
17日(木)15時の試聴会に参加させていただきました。
今回は楽しい試聴会に参加させていただき、有り難うございました。
今回Z800-FW168HR単体と、Z505-Trentoとを組み合わせてとの比較を聞かせていただいたわけですが、今回よく分かったのは、Z800が極めて高い能力をもったスピーカーであったこと。そしてZ505はそのすばらしさをうまく引き出す低音専用ウーファーに仕上がっているということでした。
2曲目fourplay は、ちょっと低音が出すぎのような感じは受けました が、音の奥行きが増し、ドラムは力強くこれも好印象。3曲目のジェ ニファー・ウオーンズは、音楽全体が体を包み込むような感じで鳴り 、響きも豊かで楽曲がより楽しく聞こえてきました。ボーカルも太く ふくよかに鳴っていたと思います。5番目の曲だったでしょうか、ピ アノが生々しく、線が太い音に感じられました。ピアノをこんな感じ で生々しく聞かせることは難しく、Z800の能力の高さに、もう一段 階段を上ったような次元の音に聞こえました。
全ての曲に共通していたことは、全体的に線が太くふくよかになり、 音の数が増え、体を包み込むように変化したことです。以前、Z800 にZ501 スーパーツィーターを加えたときに、小さな音もよく聞こ える、より繊細な音の変化に驚いたものでしたが、今回のZ505-Tr entoもZ800の線をより太くし、Z800の持つ能力高さを再認識させ る方向に強く感じさせるものでした。結局、Z501も505も、Z800の 能力をより引き出す優秀なアイテムなのですね。そう強く印象付 けられました。
その印象は、マークオーディオユニット(?)を使った小型スピー カーにZ505を加え、スーパーウーファー的な使い方での視聴をさ せてもらったときにより強くなりました。この小型スピーカーは Z800に比べて、ヴォーカルなどが前にどんどん出てくる、元気な 感じで鳴ってはいましたが、高音の綺麗さに比べ、中域がやせて 聞こえ、私にはこれは無いかなという感じでした。私の好みが線 の太い音だと言うところもありますが、そもそもZ800用に開発さ れたことを考えれば、それは当たり前ですよね。
Z800がとてもよく出来ているだけに、Z505が必要なのかといわれ れば、その大きさもあって、躊躇するところはあります。ただ、 確実に音はふくよかになり音の一つ一つが粒立ち、艶やかになりま す。音楽に包まれて幸せになりたい人には、必須のアイテムだと 思いました。
“ 初期の300セットも半分くらいはすでに売れているようですのでこのまま進化して定番商品になっていくのでないかと感じた試聴会でした”
ご視聴者様 RGアドバンス様
「今回久し振りに音工房Z様の試聴会に参加してきました。 本来であれば年末のオリジナルウーハー発表の際に伺いたかったのですが時間が取れず 、気になっていたところに試聴会のご連絡をいただいたので期待に胸を膨らませながら伺いました。
たまたま私の予約した回が他の参加者がおらず思いがけず大山様とマンツーマンで試聴
できてしまうという幸運もあり、かなり深く試聴することが出来ました。
まず大きさはZ800-FW168HRの3WAY化を目標にしていただけに専用のスタンドを外して
Z505-Trentoをインシュレーターを介して床置きしてその上にZ800-FW168HRを設置し
てちょうど市販のトールボーイスピーカーと同じくらいのサイズになっており
今Z800-FW168HRを使っているユーザーとしては使いやすいキットだと思いました。
一通りの開発の流れをご説明いただき早速デモに入りましたがやはり相当デモ音源
で開発を練っていたのでしょうか、ウーハーを追加したことを意識させずに最初から
このセットが1台のスピーカーです、と言われたら何の疑いも持たないような一体
感のある音色でした。
市販の高級機をあまり聞いたことがないので適切かどうかわかりませんが805 Diam
ondが804 Diamondになったような音色の変化といった感じでしょうか。
大山様も言っておられましたがソースによってZ800-FW168HR単体のほうが定位がは
っきりして聴きやすいものもあるのを考慮して短時間で切り替えができる点もユーザ
ーのことを考えてくれている音工房Zさんのキットだなと思いました。
その後ブラインドテストではZ800に聞きなれている私も同行した嫁さんも8割方Z800セットのほうが良いと感じたようでした。
こちらでも微妙にソースによって判断が分かれたので同じソースを同じところで聴
いても人によって変わることを改めて感じ音作りの難しさを体感しました。
その後フリータイムでいつも聴いているCDをかなりの時間試聴いたしましたがデ
モ音源の時とは違ってソースにより繋がりがばらけたり妙にピークがあったりとい
った部分が感じられ、ユニットが増えることによる弊害を出さずにレンジを広げる
難しさを感じました。
今私が購入して3WAY化したらパッシブネットワークの沼にはまってしまいそうな感
じもしました。
この辺りは大山様も感じ取られていたようですのでさらに煮詰められてくれるこ
とを期待します。
また聞き比べたスピーカーが300万円もする800 Diamond(だったと思います)だ
ったのでそれに真っ向勝負出来るだけでも金額を考えたらすごいことなのですが
ウッドベースとピアノ、サックスのシンプルなトリオ演奏などでは明らかにZ800
セットのほうが定位もあり、生々しいリアル感も上回っていたのでもう少しで全
体で超えてくれそうな期待を持って試聴を終えました。
また一緒に試聴したステレオ誌付属スピーカーのバーチ版のスピーカーにサブウ
ーハーとして追加した形がいかにもサブウーハーを追加しましたといった感じで
これはこれで使い勝手が良い方法だと思いました。
別途専用のアンプやデジタルデバイダーを揃える必要があるのはネックですがこ
のウーハーは主張しすぎるところがないので色々なスピーカーに合わせることが
可能でないかと感じました。
デバイダーならではの必要な音域のみを取り出すことも出来るので私の様に複数
のスピーカーを所有している人にはキットの使う用途が広がりそうです。
また大山様は箱の鳴りを抑えるために板厚や補強の淺を入れておられましたが
視聴中何気に触ったB&Wのスピーカーがエンクロージャー自体かなり振動し
ており、音も余韻をうまくコントロールしている感じもあったのでもしかした
ら補強によって音がデッドに感じるのかな、素人ながらにと思うソースもあった
気がしました。
初期の300セットも半分くらいはすでに売れているようですのでこのまま進化し
て定番商品になっていくのでないかと感じた試聴会でした。」
以上取り留めない感じになってしまっておりますがよろしくお願いいたします。
“高音質のソースを各種もってこられた方がおられ、Z800-FW168&Z505の実力を十分感じることができました。”
ご視聴者様 藤澤 孝雄様
2度目の試聴会です。前回はバックロードホーンの製品が主でしたが、聴き比べに使ったZ800-FW168HRの音色が秀逸なこと、この時に改めて感じた記憶があります。以来このスピーカーセットに似た系統の音色の低音部が加わったら本当に素晴らしいものになるのではと、ずっと思っておりました。今回、発表されたZ505はその期待にぴったりの製品でしたので、わくわくしながら試聴会に参加させていただきました。
スタジオに案内されると、すぐにZ800-FW168HR&Z505から音楽が流れており、
始まる前から魅了されました。Z505有りの3wayと無しの2wayとの比較では、
ボリュームを十分に上げた2wayの方が明らかに切れがよく、しまった低音の
音量も十分ではないかと感じました。しかし、3wayに切り替えると音が豊かに
なり奥行きがでてきて、予想どおりオーケストラの演奏にはこちらのほうが良い
のではと感じました。
B&Wの802との比較では甲乙つけ難く、ピアノのSteinway&SonsとYAMAHAとの違いに
似ているかなと思いました。総じて805のほうが全面に音がでており、Z800-FW168HR
&Z505はやや沈んだ音色ですが、より奥行きと広さがあるように感じました。
ブラインドテストの結果でも私のジャンルごとの好みは5:5でした。
ジャズ系が805でクラシックやバラードにZ800-FW168&Z505にチェックしておりました
が、初めてのブラインドテストでしたので自信がありません。特に印象がより強く残って
いる2曲目の方にチェックする傾向があるようにも思いました。
参加者の持ち寄ったCDの鑑賞も大変参考になりました。高音質のソースを各種もって
こられた方がおられ、Z800-FW168&Z505の実力を十分感じることができました。
また今回のような試聴会が企画されましたら参加したいと思います。
“ どちらの音が好きであるかという非常に嗜好的なテストでしたが、
後で示された「鳴っていたスピーカー」の開示では、私の場合は10曲中8曲がZ800+Z505を選択していました。”
ご視聴者様松野俊夫様
新春の1月16日、かねがね希望していました試聴会に参加することが出来ました。特に今回の目的は今だ購入したまま未組み立て状態のZ800-FW168HRの試聴と、発売されたZ505-Trentoとの組み合わせを体感することにありました。
試聴会は最初にZ800単体とZ800+Z505をいくつかの音源を用いた交互比 較から始まりました。この比較ではZ800の実力と高さを実感すると共に、 Z505を加えることによる低域の味わいの違いを肌で感じることが出来まし た。しかしこの感覚の違いは視聴室の大きさや音源の音量による効果も 含まれているとも考えられ、果たして自宅でこの違いを感じることがで きるのか、という感想も同時に持ちました。
次のプログラムはB&W802とZ800+Z505の2機種を用い、どちらのスピーカ ーが鳴っているかを表示しないブライドでの比較試聴でしたが、カーテン等 でスピーカーを隠した完全なブライドテストでは無かったため、音量などは 同程度ですが注意深く聞くとどちらのスピーカーからの音であるのか何と なく感覚的に感じられ、完全ブライドの方が良かったのではないかと思われ ました。どちらの音が好きであるかという非常に嗜好的なテストでしたが、 後で示された「鳴っていたスピーカー」の開示では、私の場合は10曲中8曲 がZ800+Z505を選択していました。私にはB&Wの音質は欧州の石の文化的な 鋭さが感じられ、Z800+Z505は木と紙の和の艶やかさが感じられ、優劣では なく好みとしてZ800+Z505に好印象を持ちました。
最後は持ち寄ったCDの視聴でしたが、前記の通り私のオーディオ環境は試 聴会と真逆の環境にあります。そのため日常に近づけるためにかなり音量を 絞った状態でのZ800単体とZ800+Z505の交互試聴をさせて頂きました。Z800 単体でも低域の質感はすばらしく、満足できるものでしたが、Z505が加わる ことで低域の膨らみがより感じられるようになり、ちょうどZ1000にZ501ス ーパーツィーターを加えた時に感じられた響きと同様に、低域での響きを体 感できたと思います。私のように音量を上げられない環境ではZ505が加わる ことで音の体積が増えるような気がします。また、Z505はZ800を基準に開発 されたものですので当然ですが、Z800を乗せる土台としても優れており、 地震対策の視点からも通常のスピーカースタンドの様な「頭でっかち」の 不安を解消してくれるものと思いました。今回の試聴会では小音量時での低 域について貴重な経験をさせて頂き感謝致します。
“ Z505 がつながると当然だが、無理のない低域の伸びで、より自然な音の出だ。”
ご視聴者様 功刀正行様様
1月19日(土)10:00からの試聴会に参加した。久しぶりの試聴会、オーデ ィオもちょっとだれ気味でまともに聞いていなかったので、良い刺激になるのではと期待して参加した。
愛用のZ800-FW168HR(以下Z800)のウーハーキットZ505-Trento(以下Z505)、果たしてその効果は如何に、大いに気になる新製品だ。
いよいよ試聴に入る、まずはZ800単体で、続いてZ505を追加した3Wayで (因みに、今回の視聴会はネットワークではなく、ディジタルチャンネ ルデバイダー使用とのこと)試聴。まず、感じたことはZ800単体でも結 構頑張っている、家では通常TVの音もこれで聞いており、時々「お、結 構低域出るなーー」と思っていたが、それを再認識した。しかし、Z505 がつながると当然だが、無理のない低域の伸びで、より自然な音の出だ。
Z800はよく出来たSPだが、超低音はオーバートーンで、やはり空気を揺る がすような低域は無理だ。 続いて聞いたB&Wとの比較試聴は、両者音作りがかなり異なり、好みが 分かれる。例えれば、Z800+Z505はスレンダーな京美人、B&Wはグラマラ スな西洋美人。Z800+Z505は線が細く感じる。本来はそれほどではない のだろうが、横にグラマラスなB&Wがいるので余計そう感じてしまうの であろう。音像の位置も異なる。Z800+Z505は比較的音像の位置が低く 、B&Wは腰高だ。これは、B&Wのスコーカーがほとんどツイッターと一緒 に頂上にあることが影響しているのだろう。普通、メーカーの視聴会で は他社の製品は使わないが、この辺もZさんの心意気が伝わってくる。
次は、マークオーディオSPのZさんの箱入り超廉価システム(SPも箱も 買ったがまだ作っておらず、どんな音がするのか、興味津々)。いや はや、なかなか良い音がするではないか。TV用のSPだったらこちらで 十分か、早く作らなければ。で、これにZ505。とんでもないオーバー スペックで、実際にやる人は少ないだろうが、当然効果は抜群。隠し て鳴らしたら、とてもあのSPが鳴っているとはだれも思わないのでは。
ここで、Zさんからのメールにもしばしば登場する、様々なジャンル の10曲を、ブラインドでZ800+Z505とB&Wを鳴らし、どちらが好きか答 えるもの。SPを見ながら聞くと余計なことを考えるので、目をつぶっ て聞き、答えた。後でいただいたリストを見たところ、私の好みは B&W:7曲、Z800+Z505:3曲だった。B&Wは極めて明るい音作りで押 し出しも良いので、短い時間の試聴では、こうなるだろうと思う。
家で長時間聴くことを考えるとB&Wは五月蠅く思うかとも。自宅で、 常時聴けるようになっているSPは、タンノイGRFメモリー、WILSON B ENESCHと、Z800だが、いつの間にか常用SPはZ800になっている。
最後は、持参したCD(他の音源の方もいらした)で、試聴させてい ただいた。私が持参したCD1は、パンフルートとオルガンと言う異 色な組み合わせでヘンデルのLargo(オンブラマイフ)、冒頭部分に オルガンの最低域が入っており、安普請のわが家で再生すると家が 揺れる。もう音ではなく、空気の振動として圧力を感じる。これが どの程度再現できるか。
両者とも、重低音は今一つだった。20cm2発のB&Wの方が少し出は 良かった。これは、冒頭のZ505開発経緯の説明に会ったように、明 らかに設計意図が異なるのであろう。Zさんが、802クラスの一体型 を作るのであれば、今回のような3Wayになったかどうか。 Z505は、あくまでもZ800の低域を補強する意図であろうから、 Z800の個性を生かした範囲での広域化なのだと思う。でも、比較 試聴の結果を見ると私も結構ドンシャリ派なのかなと自戒した。
2枚目は、5オクターブマリンバと鐘、良くある叩きまくる演奏で はないので、落ち着いて聞ける(因みにSACD版)。ゆったりとした マリンバと共鳴しあう鐘で結構低域の再生が難しい。前回参加した 試聴会では、小型SPは音にならなかったが、Z800+Z505は流石、心 地よく聞かせてもらった。
さて、視聴会に参加して我が家のZ800にZ505を追加するかどう かは、大いに悩む。明らかにZ505の効果は大きく、キットである こともあり、価格的も想像以上の低価格。聞いているのがZ800のみ であれば迷うことなく追加するが、これを導入するためには、今あ るSPをどれか外に出さなければならない。既にお蔵入りのSPが数台 あり、もう先が無いのだからこれ以上物を増やすなとの厳命が下る 中、こっそり増やしている数々のもの。はやりの断捨離が必要か。 しかし、断捨離となったらすべてのSPが対象になりそうで踏み切れ ない。という事で、優柔不断。しばらく悩むことにします。
楽しく悩む時間をいただきました音工房Zの皆様に感謝致します。 ありがとうございました。
“ 押出しが特に強い低音ではありませんが十分な量感と802より正確な低域が出ていると感じました。”
ご視聴者様aki様
先日は普段ではなかなか耳に出来ない比較試聴に参加でき大変参考
になりました。
個人的ですが感想を書かせて頂きます。
低音の印象は、かなり下から解像度良い低音が出ていました。押出 しが特に強い低音ではありませんが十分な量感と802より正確な低 域が出ていると感じました。こんな音が入っていたかと新たな発見 がありました。
Z500とZ800との繋がりは何の違和感もなく、初めから設計されて いたかの様でした。この調整は大変だったのでは無いでしょうか。 802との違いですが、802は女性ボーカルなどの中域に魅力があり 印象的な盛り上がりを感じましたが、Zの方は良い意味でフラット で全体として正確な音が出ると感じました。このあたりはスピー カーの味付けの部分でしょうか。どういった音色(特徴)を持った スピーカーに仕上げてゆくのか、と言うことが目指せるレベルにい ると感じます。
ジャンルによって個人的好みはあると思いますが、全体として十 分満足できると思います。そもそも価格を考えると比較試聴して いる事自体が驚きです。
サブウーハーとして。
これだけで聴いているとこれ以上なにが必要なのか?と思いえる 十分なクオリティでした。 この際、ホームシアター用セットも作られたらどうですか。
以上、勝手な個人的印象ですが、書かせて頂きました。有意義 な時間をありがとうございました。
“ 全体として、Z-3wayは、ピアノ、ベース、ドラム等の低音域の拡がり、シンバルの迫力、オーケストラの分厚い響きが 各段に高まったという印象を受けました。”
ご視聴者様T.K様
Z505-Trentoの試聴会(約2時間)の内容と感想を報告します。
①Z800-FW168HRとZ800-FW168HR+Z505-Trento(以下Z-3way)の比較、
②Z-3wayとB&W802のブラインド比較(ホームページ記載と同じ方法)、
③その後、参加者持ち寄りのCD等で各自10分の自由試聴
よくある質問
スピーカーAに2wayのZ800-FW168HRを接続します。
スピーカーBにZ505Trentoを接続します。
スピーカーAだけ出力ONにすれば2wayのオリジナルのZ800-FW168HRをお楽しみいただけます。スピーカーAをONのままスピーカーBも出力ONにします。Z800-FW168HRのツィーターのアッテネーターを-3dBから0dBに変更します。Z800-FW168HRのダクト穴を塞ぎ密閉化します。
この作業で2way⇔3wayの切り替えができます。
(推奨のネットワークはこれが可能ですが、レポートで紹介しているネットワークでZ800-FW168HRにローカットフィルターを入れる場合はワンタッチ切り替えは難しいです)
下記の商品は弊社が利用したことのある商品ですが、 同様の機能があればこの商品でなくてもご利用いただけます。 なお下記の商品のお手配はお客様のほうで お願いいたします。
○プリアウト可能なプリアンプ(プリメインアンプ)
FOSTEX AP20D 12,861円 (価格2018年12月17日Amazon調べ)
○デジタルデバイダー
BEHRINGER DCX2496 ULTRA-DRIVE PRO 32,076円(価格2018年12月17日Amazon調べ)
○パワーアンプ
FX-AUDIO FX50 6,480円(価格2018年12月17日Amazon調べ)
使いこなしのレポートでは上記の構成で利用した場合の 接続方法と設定方法を記載しています。
サブウーファーとして利用する場合に
必要な機材は一つ前のFAQをご覧ください。
ただし、 サブウーファーとしてご利用される方のために ネットワークのみ不要が可能です。
ネットワークが不要の方は 「ネットワーク不要」と通信欄にご記入ください。 12,000円割引になります。
ユニットとエンクロージャーは個別販売はしておりませんが、商品購入者様が後々破損された場合のユニットの単品購入に関しては可能な限りお受けいたします。
以下のものは返品・交換・返金の対象になりません。
★板のそり、木口の色合いの違い、突き板の継ぎ目などがあること
★主観的な音に関わること
★バーチベニヤには補修のパッチがある場合があります(写真1)。バーチベニヤの木口には節に当たる部分が焦げていたり、一部抜けていることがあります。(写真2)また木目方向に毛羽立ってしまう感じになる場合があります。(写真3)

Z505-Trento (S)仕様
ユニット | Z-Trento |
---|---|
周波数特性 | 30Hz~400Hz(付属ネットワークでハイカット) |
定格入力 | 150W |
インピーダンス | 4Ω(Z800-FW168HRと同時に利用する場合)
8Ω(Z505-Trentoユニット単体利用の場合) |
寸法 | 幅340mm×奥行き425mm×高さ700mm(キット 突起部分含まず) 幅345mm×奥行き436mm×高さ705mm(完成品 突起部分含まず) |
重さ | 片ch 約29Kg (ユニット・ネットワーク) |
ターミナル | 独立ピンタイプ(バナナプラグ対応) |
内部配線 | OFCケーブル |
エンクロージャー形式 | バスレフ型(密閉型に変更可能) |
エンクロージャー材 | フィンランドーバーチベニヤ24mm |
仕上げ(完成品) | ウォールナット突板全面貼り/ウレタンつや消し塗装 |
Z505-Trento(キット)同時購入オプション
ネットワークはんだ付けオプション(+5,000円)
面倒なハンダ付けをお客様の代わりにこちらで行います。ネットワークは弊社の推奨の定数のものになります。端子の圧着、絶縁処理、端子のベースへの固定、金メッキファストンのカシメまで行います。配線にはわかりやすいようにタグがつけてあります。
Z203 スピーカーを自作するためのクランプ(+3480円)

スピーカー制作に必要な木工用のクランプを同時購入の格安価格にてご提供いたします。自作式クランプZ203について詳しくはこちらを御覧ください。なおZ505-Trentoを挟む全ねじの長さは今回のスピーカーを挟むことができる600mm程度の長いものが付属されます(通常のサイズは450mmです)。長さ600mmの全ねじのみの購入も可能です。
Z505-TrentoS(完成品)同時購入オプション
エージングオプション(+10,000円)
スピーカーユニットへのエージングをピンクノイズで20時間行います。商品到着からエージング不要で音楽をお楽しみいただけます。