FE108Sol エンクロージャー キット

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FOSTEX FE108Sol専用箱

■■ Z700-FE108Sol開発経緯■■

 

 Z700-FE108SolはZ1000-FE108Solに費やした数々のノウハウを投入しながら、自作の最大のメリットであるコストパフォーマンスの高さを感じてもらえる商品を目指して開発をスタートしました。

 

 箱の試作はZ1000-FE108Solで数限りなくやってきましたので是非Z1000-FE108Solのページもご覧ください。Z1000の時とは別に今回のキット化にあたり↓の写真ようにたくさんの試作箱を作ったのですが、開発のページはこれまでよりか分かりやすいようにさらっと書きたいと思います。

(↑Z700-FE108Solの試作)        (↑Z1000-FE108Solの試作)

 

相当数の試作品を経て最終的に決定したスピーカーは高さ900mmフロント開口でのスピーカーに決定しました。サイズ的には高さ900mm 奥行き297mm 幅195mmと、バックロードにしてはかなりコンパクトなトールボーイにまとめました。キット化にあたり重視したのは低音の量感を妥協せず可能な限りコンパクトなサイズにしたいと思い開発スタートしました。

 

 

 

 スピーカーの名称はZ700-FE108Sol。見た目はこれまでやってきた最終ポートを大きく絞り込むBHBSではありませんで一般的なバックロードホーンの形式です。最初はBHBS形式でやっていたのですが、「中域の癖を出さずにしっかりローエンドを伸ばすという」方針でたくさん試作をしていったところ最終部分をポート形状にしなくても目的な音になったというのが今回のスピーカーです。(付属のボックスと桟でBHBS化してZ1000に近い音を出すことも可能です)

 

 今回のキットはバックロードでは初になりますが、内部の主要部分すべてにホゾとダボ穴をつけるという有料オプションを作りました。バックロードの組み立てが大変そうで躊躇されていた組み立て初心者の方におすすめです。

 今回のZ700-FE108Sol開発に費やした開発の苦労話しを時系列に書きます。実際はこんな順調に進んでいるわけではなく前後している部分もあるのですが、開発部分のコンテンツがごちゃごちゃしていてわかりにくいというお声をいただきましたので書き方を変えました。

 

 

ステレオ試作1

こちらのスピーカーは大きな失敗をしないところを狙って作った試作1号機です。途中までZ1000と音道構造を限りなく近寄らせて作り、これまでにやったことのある構造がベースのためローエンドは期待できなくとも中低域のバランスは大丈夫だろうと思ってやってみたところ、予想通り優等生的な特性がでました。

最初は保守的なものを作っておいてそこからチャレンジするほうが精神的に楽なのです(笑)

音は全く問題なくホテルカリフォルニアやチャイコフスキーの1812年の大砲の音とかを考えなければ全く問題なく聞けます。スピーカーの設計はいつもたくさんやったあげく一番最初に戻るケースが多いのでこのスピーカーがベースになる可能性は大です。

このスピーカーは開口部分を広くとっておいて、最終の開口面積をダクト状(BHBS)にする形で測定と実際の試聴をしました。このスピーカーの音道はそこそこ長いのですが結構ポートの効果がでましたね。

モノラル試作2

木取りを考えて野心的なことをやりました。高さ900サイズで奥行き290、あまり広がり率を取らない音響迷路的要素の強いスピーカーです。背面を大きく開口させてダクトの面積を好きなように調整しながら測定にかけてみるとまあびっくり!

ポートを絞るとZ1000-FE108Sol、開くとスーパースワンそっくりの測定結果になりました。モノラルで試聴すると少し変な感じがしたのですが、、、特性が良いのでどうしてもステレオで聞いてみたくて製作へ。

 

モノラル試作2からステレオへ

モノラル試作2をもう一つつくり視聴しました。測定結果は素晴らしいが、いざ音出しをすると・・・。Z1000-FE108Solとの比較試聴で聴くとさらに・・・((汗))何故だろう。まだ測定のやり方が甘いのだろうか??と思いながらサイン波を入れて量感をチェックしてみると、たしかにローエンドまででていて、中低域の量感も悪くない。けど音は全くまとまらない。測定結果は良いが音は納得できないというパターンでした。悔しいのでもう1回モノラルに戻って構造を変えてみることにしました。

 

PS今回のスピーカーは失敗作なので図面をだしますと↓のようになってます。

自分なりには形をキレイにまとめたつもりだったのですが・・駄目でした。理由はここには書きませんがあとあとわかった気がしました。

モノラル試作3へ

高さ900サイズで失敗したので(試作2)、再び高さ600サイズで試作をしました。こちらはちょっと思うことがあって、ダクトが全面にあるか背面にあるかで測定上のF特に大きな違いがでるのではないか?という疑問がでて、

試作1の構造をほとんど同じにして、ダクトだけ前と後ろで音がどれだけ変わるかを確認しました。

内部構造がほぼ同じでダクト位置を前後ろ変えるだけでびっくりするくらいF特が違うのですが、これは今回作った他の試作スピーカーやスワンと比較した時のF特のグラフを見るときに大いに参考になりました。背面ダクトと前面ダクトにした時の聴感上の音の違いは理解していましたが、無響室で測定するときも注意が必要なようです。

モノラル試作4

再び高さ900mmへ。この時点ではまだ背の低いものでいくか、高いものにするか決めていなかったのですが感触として高さ600サイズにするとやはり30~50Hzあたりの量感については高さ900サイズには勝てないというのがわかっています。

つまりローエンドはそこそこで妥協して中型の600サイズにするか、ローエンドまで低音をだして900サイズのトールボーイにするかというところです。

トールボーイ(900)よりも中型の600のほうが木材は少ないのでコストはかからないのはメリットですが、スタンドを使わないと置きにくいというデメリットもあります。そこで木取り寸法の良い奥行き300mmで、高さを900mmに固定して再び試作。

ちなみにZ1000は奥行きが380mmですが、この80mmのサイズの差は音にも違いがでますが、見かけ上の違いが結構大きいです。実用も考えると奥行き300サイズはセッティングにそれほど困らないサイズかなと思います。

試作4は試作2の失敗したものの変形です。空気室あたりの構造が自分的には革新的だと思ったので再チャレンジしたのですが音はやはり納得いきませんでした。

音は聞けなくありませんが高さが600mmサイズの試作1のが良いのでこれではサイズ拡大した意味がありません。

モノラル試作5(試作4’)

試作4の構造が諦めきれずに壊して、ポートを前後反転させました。これでもやはり駄目でした。試作4よりさらに駄目になりました。

モノラル試作6

駄目なスピーカーが続きましたので高さ900サイズの挑戦はラストにしようと決めてかかった試作箱の6作目。

高さ900サイズ4度目の正直。今回のものは試作4と5とはだいぶ構造を変えました。試作4と5の構造もあまり見たことのない構造で楽しみにしていましたが、あまりうまいくいかなかったのですが、、、今回の新構造は何故か自信がありました。

モノラル試聴で聞いて凄く期待が持てそうだったのを確認して、速攻もう一台目の制作にかかりました。

モノラル試作6をもう1個作ってステレオに

良さそうなのが予めわかっていたので、空気室・スロートの容積を可変できるようにしてステレオ化しました。(構造の一部は本作と同じもののため一部目隠ししています)

Z1000やスワンと比較して音出し。Z1000にはたしかにローエンドでは勝てないけどサイン波をいれるとしっかり35Hzあたりの振動も聞き取ることができます。中域の厚みもばっちり。

試作1と比較しても中低域特性は近く、30~50Hzの特性は明らかに良い結果がでたのでこちらの900サイズをベースに微調整をしていくことに決めました。

試作6がベースに決まり、ここから無響室内での細かい調整に

 

この試作6をベースにさらに細かい部分を改良して良質な特性にもってゆきながら、ステレオ試聴を繰り返します。ちなみにここから先は毎日やっている我々でも分かる人とわからない人がいるくらい細かい作業で、音を大きく変えることはしません。ベニヤをミリ単位で動かしては測定を繰り返す非常に骨の折れる大変な作業です。

これまでの経験を総動員して、空気室、スロート、ホーン開口部分の面積を幾通りに変化させながらF特を測定→ピークデップが少ないものの候補をステレオにして耳で聞く。最終判断は人間の耳です。

 

本試作

 

試作6と無響室で得たデータを元に全てバーチベニヤで作りました。これまで完成品の場合は内部に柔らかい木材を使ったりするのですが、今回はすべてバーチで統一してまずは作って見ることに。万一中域に癖がでたら部分的に変えていこうと決めました。

 

パーチクルボードで作り込んだ低域の特性の良さはそのままに、持続する低音の響きの良さ&箱のベースがしっかりしたことでよりカッチリした音になりました。当初硬質に聞こえた響きも1週間ほどするとほとんど解消されました。

Z1000と比較してみます。

Z1000と比較するとローエンド部分と箱の響きの柔らかさは勝てませんし中域は多めに聞こえます。従来のバックロード構造に近いのでスワンや長岡式をメインで使って来られた方には馴染みやすい音かと思います。

ミクロンウールやフェルトで吸音材の最終調整をします。

また低域がこもりやすく大音量で聞かれる方向きに付属最終ダクト調整で中域の癖を潰してローエンドを伸ばす工夫をするための調整ボックスのサイズを決めました。こちらはZ1000のアイデアをさらに拡張して縦置き、横置きができるように設計しました。この方式でBHBS化してブラインド視聴をするとZ1000と聞き分けるのが難しくなります。

 

スピーカーは最終調整後に音工房Z社員全員でスワン、Z1000等と比較しながらブラインドテストを経て最終仕様を決定いたしました。

 

■■ Z700-FE108Sol物量投入■■

 

 

 

 

FOSTEXの限定販売ユニットFE108Sol用に設計したエンクロージャーです。
たくさんの試作箱から適切な箱のサイズ、内部の定数を導き出しました。

 

 

高音質の15mmのバーチベニヤをエンクロージャーの全パーツに利用しています。

 

 

低音の量感調整を開口部分に付属の組み立てボックスを入れることで量感を多くしたり少なくしたりすることができます。調整箱なし、縦置き、横置きを変えることで3段階に調整が可能です。最も出口を絞ったときにZ1000-FE108Solに近くなります(お客様自作により無段階に調整も可能です!)

 

 

 

オリジナルのターミナル板と独立ターミナルがセットになっております。

 

 

バックロードホーン初の試みになりますが組み立ての主要部をダボ&ホゾ加工をいたしております。初心者でも簡単な組み立てが可能です。(2023年販売ではダボとホゾは標準加工といたします。)

 

 

 

 

スピーカーユニットを鬼目ナットで取り付けることができます。
(鬼目ナットとスピーカー取り付けは付属の取説を参考にして慎重に行ってください)

 

バックロードホーンを作り続けてきた工房だからこそ可能な超高精度な合板カット・NCルーターによる加工でお客様の作りやすさをバックアップします。




■Z700-FE108Solは他にも書ききれないほど徹底的な細部へのこだわりを持ったスピーカーです

ターミナル、内部配線ケーブル、吸音材をセットしています。
(ハンダ付けはお客様でお願いします。)

バナナプラグ対応の金メッキターミナル採用

別売り予定のバーチサブバフル、サランネットをご利用いただくことが可能です。

内部配線に高品位OFCスピーカーケーブルを標準付属

埼玉県の自社工場で全ての加工を行っております。

 

 

■■Z700-FE108Sol 特典■■

 

たくさんの特典をご用意いたしました。

 



大山へ直接メールによる相談をすることができます。
スピーカーの制作、塗装、音出し、セッティング等で
迷われたことがありましたらメールでご質問ください。
2営業日以内のご返信を心がけています。
(購入時メールサポート”希望する”をチェックしてください)





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ことができる”サポートメルマガ”を定期的に受け取ることができます。
サポートルマガでは新商品の割引案内や、通常メルマガには書かない超レアな木工動画、塗装動画、オーディオ動画を配信予定です。

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Zユーザー様は過去配信のサポートメールの重要な部分を
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↓↓は過去配信の一覧です。
(■は動画●はPDF及びHTMLです)

■2000円で自作クランプ10本を作る方法
■ゴム系接着材と白いボンドの違い
■綺麗に小口テープを貼る方法
■オーディオケーブルを苦労せず、かつ綺麗に被膜をむく道具
■ファストン端子を専用道具を使って正しく圧着する方法)
■板と板を100%直角に接着する極意
■側板接着時に仮止め釘を利用してプロ級の 仕上がりを実現する方法
■クランプを買えない人必見!!100円ショップでも売っ ている◯◯を使って強力接着する方法
■8センチ~16センチ用ユニット位置決め用テンプレート
■ビス留め後にダボ穴を埋めて綺麗に見せる方法(前半)
■ビス留め後にダボ穴を埋めて綺麗に見せる方法(後半)
■トリマーを使ってはみだした凸凹をいっきに平にする方法
■板を滑らずに真平らに接着する!! 驚異の大山式3ステップ接着法
■短いクランプを長くするウルトラテク、他木工小ネタ3連発
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●鬼目・爪付きナットを利用するときに便利なユニット穴あけテンプレート
●オーディオマニア向け!!CDの傷を治して音飛びを治す方法
●2013年ステレオ誌スキャンスピークスを使ったバックロードホーン図面
●ユーザー様が閲覧できる豊富なFAQ

(サービス希望 の方は申し込みページの”サポートメール希望する”
にチェックを必ず いれてください。)


 

 

Z700-FE108Solを200%使いこなしていただくためのレポートです。
主にスピーカーを綺麗に組み立てていただくための情報と、ホーンの音の出口にセットする低域調整ボックスについてになります。

 

 


<※同時購入割引による特典です>
スピーカーを組む時にあると完全接着が可能なZのオリジナルクランプZ203定価5,980円(送料1200円)のところを本商品との同時購入に限り2
,980円(送料0円)でご提供!!

 

■■Z700-FE108Sol (組み立て写真、完成写真) ■■

 

 

 

 

 

 

 

 

■■Z700-FE108Sol  動画 ■■

 

 

 

■■Z700-FE108Sol 視聴していたいただいた方のお声 ■■

竹井 裕二様

40年間スピーカーを自作してきた者です。 長岡式FE103バックロードホーンが好きで、これまでいくつも製作してきたものの、ガラクタがどんどん積み上げられて居住空間が破綻する毎に作品は処分されました。2002年にFE16**Σ(もうなんだったかわからない)のバックロードホーンにしてから、もう新たに製作することもなくなり落ち着いていたのですが、いつか10cmに回帰したいと想っていました。
2010年にZ700-FE108EΣに出会った時に「これだ!」と確信しZ700を人生最後のスピーカーにしようとしたのですが、あまりに過激な高音域と部屋でガラリと変わる特性を補うチューニングには苦労しています。
その後、音工房Zの8cmバスレフ、Modenaダブルバスレフ、Z701-FE103Sol BHBSを買い求めて使用していますが、どれもフルレンジらしく清楚で聴き疲れもせず扱いやすく家庭で使用するのに十分で、これ以上のものは必要なかろうという印象です。

それでも10cmフルレンジのトールボーイは自分の理想形なので、Z1000-FE108Solが発表された際に試聴会に参加させていただきました。この試聴会のレビューは提出していませんが、正直言ってビックリして書けなかったです。
10cmに求めるにはあまりに広帯域、広Dレンジ、大音量で輸入品の超高級マルチシステムと比較され、かなり多くのスペックでそれを上回るのですから音楽を楽しむというよりも上海雑技団のサーカスを見ているようでした。それで「これは自分の音ではないな。」と判断しました。

今回のZ700-FE108SOLはスーパースワンのような鳴らし方もできるとのことで、1/19に試聴させていただいたところ確かにそのようです。自分で組み立てられるのでそれだけいろいろ手を加えられますし、いつか使おうと思って15年前に購入し死蔵していたFE108Super も取り付けられそうです。 おおよそこれから先のオーディオライフで次に向かうところはここしかなく、手に入れるといろいろとチューニングの悩みが増えそうです。
私の目指す音場再生は大音量に耐えて音が前に出て来るようなものではなく、スピーカーの奥に音場が展開し、消え入るような音量(8時)でも破綻せず幽玄な世界に浸れるところです。

 

稲尾様

大山様 いつも楽しく拝見させていただいています。
1月21日の10時の試聴会に参加させていただいた稲尾です。昨日は楽しい時間をすごすことができまして、ありがとうございました。

1枚読めないSACDがあったのがちょっと残念でしたが、たまたま3名しかいなかったので、予定していた以上に聴く事ができて堪能しました。

私は今年会社を定年退職する予定です。オーディオは中学生のころからのつきあいです。今までにスピーカーを2つ作りました。

ひとつは30年以上前に作った3ウエイ、もうひとつは5年位前に作った12cmフルレンジのバックロードホーンです。

リタイヤしたらスピーカーを作りたいとずっと思っていました。
そこで大山様のホームページやメールをいつも楽しみにしています。
塗装のビデオしか買ったことないのにすみません。でも、あのビデオはとても参考になりました。

友人にもオーディオマニアが数名います。彼らは巨大スピーカーを作っていて、私とは音作りが違います。私の3ウエイも36cmのウーファーをベースにしたものですが、彼らは38cm2発とか4発とかのマルチウエイです。

迫力もすごく、音もすばらしいですが、音像の定位感で私はちょっと違う感想を持ってます。昨日私がボーカルのCDを持っていったのは、音像定位はシングルコーンのほうが有利だからです。

拙宅のバックロードホーンはそこが気に入ってますが、音域にクセがあって不満もあります。がっちり作ってしまったので、中をいじれないんですね。

そこで、リタイヤしたらシングルコーンのスピーカーエンクロージャーを作り、中がいじれるようにしようと思ってるのです。でも、昨日ちょっと話したように、何がスタンダードなんだろという思いがありました。

大山様のスピーカーはどんな音がするんだろう、10cmのシングルコーンでどこまで低音が出るんだろう、音像の定位はどうなんだろう。それが今回参加させていただいた理由です。すみません、前置きが長くなりましたが、昨日の感想を書かせていただきます。

Z1000とZ700

同じユニットを使っているので、エンクロージャーの違いがよくわかり、とても面白かったです。われわれ素人では、比較できるようなエンクロージャーをいくつも作るのは難しいですからね。Z1000は御社のフラッグシップとおっしゃるだけあって、低域の伸びもよく、変な響きをする音域もなくとてもよくチューニングされてるなと感じました。Z700もすばらしいのですが、1000と比べると低域がちょっと詰まり気味のような感じですね。

でも、大山様がおっしゃるように、逆に中域の音の張りが増したような感じで、私が持参したボーカルを聴くにはそちらのほうが私の好みでした。とはいえ、その差はごくわずか、おそらくどちらか一方を聞けばどちらも満足できると思います。

ポートにブロックを入れたときと入れないときの違いもごくわずかですが、低域が自然に出てくる感触は入れないときの方がありますね。700はせっかく中域が充実しているのだから、あえて入れなくてもいいかなと思いました。

1000と700の違いはハイウエイを時速100キロで走っているときに、小型乗用車で走っているのか、排気量の大きな普通乗用車で走っているのかの違いのように感じました。

1000の方が余裕が感じられたのは、箱が大きくてスピーカーのコーンの動きの制動が弱いせいでしょうか。のびのびと鳴っている感じがしました。同じユニットなのにエンクロージャーの違いでずいぶん違うものなのですね。それにしても、10cmのユニットなのにあそこまで低音が出るのには驚きました。音量が大きいので、ユニットがかなり前後にバクバクと動いていて、壊れないかなとちょっと心配になりました。

古い人間なので、大きなユニットでないと低域が出ないと思っています。自作したのも、12cmのユニットですが、そのときも「え?こんなに低音出るの?」と思いました。ユニットも進化しているのですね。

極低音や空気感は大型ウーファーにはかないませんが、シングルコーンならではの音像定位のよさは抜群です。今回の試聴は音像定位がどのようになるかも興味のあるところでした。その意味ではスーパースワンをもう少し聴きたいところでした。

スーパースワンはユニットの違いもあるのでしょうが、音がぜんぜん違いますね。私も長岡先生の著書は何冊か持っていて、どんな音がするのか一度聴きたいと思っていました。ユニットの違いを考慮しても、やはり一昔前の音のようでなんとなく吹っ切れた気がします。

音像定位は700の方が締まっているようでした。音域の違いに絡んでくるのでしょうが、もう少し高音が伸びると、もっとフォーカスがまとまるように思います。昔のユニットよりも高音が抑えられ気味であるとおっしゃっていましたが、好まれる音の傾向が変わってきたのでしょうか。

前述の私の友人たちのスピーカーも高音抑え気味で、ここが私のスピーカーと大きく違うところで、彼らと議論になるところです。シングルコーンだと低音を出すと高音がおとなしくなるのでしょうか。

だからブロックや、裏板をポートに入れて中音を厚めにしたのですかね。さすがにいろいろと考えられているなと思います。いいポイントを見つけるのは難しそうですね。

音像の広がりは1000の方があるように思いました。
聴いていた位置にもよるのでしょうか。奥行きを感じたのは1000でした。

さて、もうひとつ、2ウエイのZ800について。
あまり長く聴かなかったのでちょっと印象が薄いのですが、こちらはエンクロージャーは小さくても大きめのウーファーで、バスレフならではの音がしていましたね。

スーパーツイーターをつけたときの音の明るさが印象的でした。10cmのシングルコーンは意外と高音がおとなしいなと思っていたので、800の明るい音がひときわ違って聞こえました。

音のキャラクターとしては私の好みです。
低音の伸びはバックロードのほうに軍配上がりますね。
このあたりが悩みどころで、オーディオの面白いところだと思います。

スピーカーごとの個性が出ていて、とても楽しい試聴会でした。
これからも新しい概念のスピーカーが出てくることを期待しております。
今回貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。

 

佐藤様


大山様

1月21日の試聴会に伺った佐藤です。
先日は試聴会で楽しいひと時を過ごさせていただき、ありがとうございました。
まずはレポートを、この下に記させていただきます。

<以下、レポートです>
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1月21日(土)13時からの試聴会に参加しました。
結論から言えば、Z700-FE108SOLは、喉から手が出そうなくらい欲しいスピーカーです。

「Z・サポート」メールで伝えられていたことから察して、Z1000よりひと回り小さく、
低域の再生限界がZ1000より少し高く、30Hzはなんとか出せるかどうか、それ以外は
同じユニってを使用していることもあり音色を含めてZ1000とほぼ同じ。
……と予想していました。

しかし、試聴会で様々なソースを鳴らしてみて、思っていた以上にZ1000との違いを
感じたのです。 もちろん、ほぼ同じ形式・形状で同じユニットであるがゆえに双子の
ように似てはいます。 ですが、違いは低域の他に意外にも高域にも感じられました。
心配していた低域は、Z1000には及ばないとはいえ、トッカータとフーガの最低音を
30cmウーファーの我が家のNS1000M(YAMAHA)よりも表現できていますし、日ごろ愛聴 しているJazzのTGAというグループのCDでは我が家のNS1000MやZ700-FE108Σ(改)では 聴こえてこなかった低音を聞くことができ、驚きました。

つまり、これで低音不足を感じることはまずないだろうと思います。
むしろ、中低域がZ1000より豊か(大山氏説明)であるためか、爆裂音のような音は
Z1000以上に迫力ある鳴り方をするので、私にはこちらの方が好ましく思えます。

意外だった高域でのZ1000との違いとは、Z1000で感じていた少し神経質な鳴り方が
あまり感じられなかった点です。 実は昨年のZ1000の試聴の際に一番気になっていた(特にボーカルで目立つ)のは高域 で、「このユニットはまだエージングが途中ですか?」と確認のため尋ねたのですが、 十分にエージングされてるようだったので、気になる高域の出方はFE108SOLのキャラクター かと思っていました。 今回も同じユニットなので高域は同じと思っていましたが、2kHz~3kHzくらいと思われる あたりのピーク(クセ?)を感じることなく、違和感のないボーカルを聴かせてくれました。
……自然かつリアリティ溢れる好ましい音で。

 

試聴のために持参したCDは以下の通りです。
(1)中川昌三「Cross wind」;低いブラスの音がブラスらしく、生々しく聴こえるか?   これはZ1000とほぼ同じように思いました。不満な点はありません。

(2)鬼太鼓座(オンデコザ)「三國幻想曲」;和太鼓の、大太鼓の皮鳴りが迫力を伴って聴こえるか? これもZ1000とほぼ同じように思いました。 しっかりと緊張感のある太鼓を腹に響かせてくれます。

(3)TGA 「Ten & Now」-「Al Quantara」;各楽器がリアリティをもって再現されるか? Z1000との比較はしませんでしたが、我が家のNS1000Mでは聴こえなかった低域の 音を聴かせてくれました。楽器のリアリティも含めて、見事です。

(4)TGA 「Light of the Ancients」-「Maravillosos e piadosos」;ハープと低音のパーカッションが余韻を伴って、部屋の空気の中に溶けていくように響いてくれるか? ハープの美しい音色と壺を叩くパーカッションを見事に再現しました。

(5)マライアキャリー「THE BALLAD」-「HERO」;ボーカルが艶やかに切なくハートを揺さぶってくれるか? 先に記したようにZ1000より自然に、耳障りなピークも感じず   浮かび上がるボーカルを聴かせてくれました。

(6)トッカータとフーガ: 最低音の表現は、我が家のNS1000Mよりしっかりできていました。 残念なことに、ついうっかりZ1000との比較をし忘れてしまいました。

この他、同席された方が持参されたCDで、ジャズのベースが生々しく表現され、一層この Z700のポテンシャルを感じたひとときでした。

試聴のあと、オーケストラには不向きかどうかという質疑があり、オーケストラの楽曲はマルチウェイの方が得意との見解もありました。 しかし、オーケストラの楽曲でもソロパートは結構あって、そのソロパートの楽器が定位よくまるで眼前で奏でられているような再生は小口径フルレンジでないと難しく、マルチウェイは叶わないでしょう。

我が家では、Z700-FE108ΣというバックロードをBHBS的に改造して愛用していますが、2年ほど使って実に自然な鳴り方になり、NS1000Mと比較してもフルオーケストラのパーツでも十分に表現しています。もちろん、ソロパートのリアリティはNS1000Mに勝ち目はありません。ですので、「オーケストラ向きではない」ということはないと思っています。

今回のZ700-FE108SOLが使い込んでいった後に、どれだけ広いジャンルで楽しませてくれるかは多少の未知数の部分があるものの、使いこなしを含めて考えると期待は大きく、おそらく総合的にみて、導入すれば我が家のメインになるだろうと思います。 少なくとも、微小信号の再生能力と全域で一つの点から位相が揃った状態で発せられることによるリアリティ、音像が浮かび上がる様は未体験の方が聴けば驚くはずです。

Z700はキットなので組み立てや仕上げで手間がかかりますが、価格はZ1000より格段に安いようです。 もしこれを完成品で同価格で販売していたら、私はどちらを選ぶだろうかと考えました。 私の好みは、どちらかといえばZ700の方ですから、おそらくZ700を選ぶでしょう。

聴いたことのない方にイメージを伝えるとしたら、Z1000は知的で優等生のクールなスレンダー美人というイメージで、双子の妹であるZ700は姉より少し活発で人当たりがいい美人という印象でしょうか? ……かえって伝わりにくいかもしれませんね。
ただ、いずれも優秀な姉妹であることは間違いありません。

最後にひとつ、大山様にお願いしたいことがあります。
それは、限定ユニットではなく、定番ユニット(FE108Σなど)でこの音を出せる商品を作っていただきたいということです。このZ700はFE108SOLという限定販売ユニットのために設計され販売されています。ですので、当然このZ700-FE108SOLも限定品です。

箱だけの販売も受けられるようですが、せっかく試聴会で気に入ったのにご家庭の様々な事情で今は購入できずに悔し涙を流す方もおられるのではないだろうかと思います。 これほどの音を 出し、かつ目の前にリアルな音像を再現できるスピーカーはマルチウェイの市販品ではあり得ません。ですから、大山様には定番ユニットのFE108Σなどで、音工房Zの定番品としていつでも購入できる Z700を作っていただきたいと切にお願いしたいのです。

実は私も、喉から手が出てしまうほど欲しくてたまらないのですが、今はどうしても家庭の諸事情で見合わさなければなりません。 おそらく私のような方がいらっしゃると思います。 このZ700というモデルを一代限りで終わらせるべきではない、更に少しずつ細かい改善をして音工房Zの定番商品として育てていただけたらと思うばかりです。

以上
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またお会いする日を楽しみにしております。

佐藤

 

ペンネーム よこはまZ

本日は、試聴会を開催いただき大変ありがとうございました。

熱暑のお盆前にZ1000-FE108Sol(以降Z1000Solと略)の試聴会に参加させていただき、スピーカーとしての性能の高さ、完成度に大変な衝撃を受けたことから今回も参加させていただきました。Z1000Solの試聴会は、小口径フルレンジスピーカの特徴であるレスポンスの高さとバックロードホーンの組み合わせが理想的なスピーカーの“カタチ”であるかを認識する機会となりました。その試聴会において、キット販売の可能性を伺った際は難しいだろうとのお話でしたが、半年後に登場させた大山さんの心意気には大いに感謝します。

さて、試聴会では先輩格となったZ1000-FE108Solと2WayのZ800-FW168HRとを主に比較させていただきました。ちなみにZ800は拙宅での愛機でもあります。

Z1000SolとZ700-FE108Sol(以降Z700Solと略)とはユニットもスピーカ形式も共通なこと手伝ってか、かなり似通った音作りがされていました。お聞きするところ、音工房Z殿の苦心のチューニングの結果とのこと、脱帽です。ユニットは両機とも同程度にエージングがされているとのことで、曲によっては聞き分けが難しいものもある程でした。

Z800との比較となると、これは大きな違いがありました。Z1000Sol、,Z700Solともにストレスなく音が出てくる感じで”開放的な“と表現したくなるような。この相違はフルレンジ1発と2Wayとの構成の差が関係しているのかと思いきや、同じフルレンジのZ701とも異なりましたので、周波数特性が若干ハイ上りなことも関係ありでしょうか。ともかく音楽を聴いていて非常に心地良い感じがします。

試聴ソースからの印象

・ Hotel California(Live版)冒頭のキックドラムの重低音はまさに快感。ギターの弦のはじける音も完璧

・ Emilie Claire Barlowの曲は、ボーカルの生々しさとともにオンマイクの女性ボーカルの息継ぎ音の高域成分が再生される様に最新高性能スピーカーとの共通点を感じた。

・ 水上の音楽(オルフェウス室内管弦楽団)は、Z1000Sol でも再生音の見事さが印象に残っていますが、Z700Sol でもまた、はっとするほど美しい音を奏でていました。特に印象的なのが金管、特にトランペットのファンファーレで、伸びやかな高音が印象的でした。

・ 三十絃と津軽三味線の演奏は高剛性ユニットならではの、ハイスピード、切れの良い再生が見事。これもZ1000Solと共通。

・ その他、試聴に参加された方々がお持ちになったCDで印象的だったのが、鬼太鼓座の大太鼓。ずしんと来る低音は、ユニットの大きさを考えると驚異的。ジャス系の音楽はどれも非常に魅力的で、サックスは分厚く、ウッドベースは低弦の弾ける音、スネアやハイハットの音など、私がこの系統の音楽を聴く際にスピーカーに期待する要素を全て満たしている。

・ 逆に、シベリウスのフィンランディアは管楽器が若干うるさく感じられ、本機には不得手なソースか感じましたが、他のスピーカーで再生比較していないので、ソースそのものの特徴だったのかもしれません。優れたスピーカでもソースにより得手、不得手があるものと云われますが、今回、Z800との比較で良くわかったような気がします。

最後に、気になるZ1000Solとの相違ですが、概してZ1000Solの音場が若干広めに感じられるソースが全体の半分程度ありました。これは低域の性能によるものか、チューニングで変わってくるのか私にはわかりませんが、自分でチューニングする余地があるのも楽しいところかと思います。

末筆になりますが、地道な開発を続け来られる大山さんをはじめ、音工房Zの皆さんに拍手を送りたいと思います。今後もこのような魅力的な自作キットを出し続けてくださることを願っております。

 

Ko様

2017年1月21日(土)午前10時~12時の視聴会に参加するため草加駅から地図を片手に歩いて行くと約15分で音工房Zさんの工房に到着しました。扉に視聴会場の張り紙があったので勝手に上り込んで椅子に腰かけていたところ、ホームページで見慣れた大山様が突然現れたのでびっくりし、また非常に感激しました。

暫くして、今回参加される2名の方が到着されたので、少し早めに始まりました。

大山様の挨拶の後、まず最初にZ700-FE108Solの音の狙いと内部設計の重要なポイントを内部構造図と共に説明して頂きました。多数の試作品と膨大な試行錯誤の上最終設定された形状造形に感嘆しきりでした。

次にZ1000-FE108Sol、Z700-FE108Sol、D101Sスパースワンの順に、主催者で用意された、「ホテルカリホルニア」「CHNAT」を30秒ずつ視聴しました。特にZ700-FE108Solについては、ポートの絞りによる音の変化を視聴させて頂きました。
バックロードホーンは、今回初めて聴いたので、10cmのスピーカーでよくもこんな低音が出るのかと非常に感動しました。

 次に、今回の目的Z700-FE108Solによる視聴に移りました。こちらも用意してあった「ホテルカリホルニア」「トップ・オブ・ザワールド」他を視聴しました。聴きなれた曲なので音の素晴らしさが良く比較できると思いました。特に気に入ったのが「三十弦と津軽三味線のための「律」」でぜひ自分でも入手したいと思いました。

用意して頂いた楽曲を一通り視聴したので、参加者の持参したCDを鑑賞しました。
Z1000-FE108Sol、Z700-FE108Sol、Z800-FW168HR+Z501スーパーツイータ、Z701-Modena BHBSminiなど聞きたい3台を選びセレクターで切り替えできました。
  この時感じたのは、Z1000-FE108Solの低域の広さ、Z700-FE108Solのまとまりの良さ、Z800-FW168HRの繊細で力強い高域に感動しました。ここでZ501スーパーツイータの効果がすごいのにびっくりしました。また欲しいものが増えてしまいました。

 最後に、無響室と工場を見学させて頂きました。

このような視聴会に参加したのは、初めてでしたが、非常にアットホームな雰囲気で、あっという間の2時間でした。普段聞きなれたCDでも自宅では到底出せない音量で聞くことや到底買えないようなスピーカーの比較ができたので本当に有意義な時間を過ごさせて頂きありがとうございました。また機会があったらぜひ参加させて下さい。

 今後の、益々の音工房様の活躍発展を期待しております。

 

ぱぱちゃん様

 

結論を申し上げれば、Z700-FE108SOLは素晴らしい出来栄えのスピーカーで、あらゆるジャンルで優れた音楽的な表現が約束されている。具体的には低音から高音まで淀みなくバランスが取れた骨太なエネルギーを放出し、低音から高音までバランスが保たれ、立体的な音場を表現したことに感服した。これだけの音楽表現の源が10センチ口径のスピーカーであるとは驚きである。ホテルカリフォルニアの冒頭の重低音では座っている椅子が震えるほどの深く重い振動が伝わってきた。重低音とは振動なのである。あの空気 震わせる低音は、生半可なスピーカーでは出てこない。それを大口径ウーハーの大型エン クロージャーでなく、10センチのスピーカーで出すところが痛快極まりない。

大山さんの作品は低音の凄さが語られることが多いが、私はむしろ、Z700-FE108SOLの中高音の素直な響きに感銘を受けている。私はクラシック音楽愛好家であるが、楽曲のメロディーを構成するのは中高音が中心であり、低音はそれを支えて美しく安定したハーモニーを紡ぎだす。各国の劇場でオペラを楽しんでいるが、テノール歌手の評価は最高域を美しく歌う事よりむしろ、充実した中域での音楽表現が重視されている。クライマックスで出てくるハイCがたやすく出るだけでは魅力ある歌唱とはいえない。クライマックスにはその前段階=中高音の充実した美しさが必要なのである。Z700-FE108SOLの中高音はマルチウェイの繊細な表現を持ちあわせている。具体的には中高音の音場は左右に加えて上下にも広がる。ご承知の通り、指向性に乏しい低音と異なり、指向性の高い中高音が高品質でないと立体的な音場表現は達成できない。特に縦方向の広がりは一筋縄には出てこない。上下左右に広がる立体的な音をステレオで出せるのがいわゆる高級スピーカーである。

ベースは指板を押さえたり、指板を移動する際に指と弦がこすれる音がするのが特徴であるが、こうした音がZ700-FE108SOLではとてもリアルに聞こえる。だから目の前でベースを弾いているようなライブ感を味わえる。微細な音色は、音が立体的だから感じ取れるのである。この中高音をZ700-FE108SOLは見事に表現している。ボーカリストの息遣いや、パイプオルガンのパイプを動かしている機械音も同様である。これらは音量を大きくしたから聞こえる類の音ではなく、立体的な音場の広がりがあるからこそ感じられるのである。音楽を聴く場合、聞こえるのと感じられるのは大違いで、Z700-FE108SOLは広がりのある立体的な中高音があるから音楽を自然と感じられ、楽しむことが出来るのである。それに凄い低音がくっついてくるのだから鬼に金棒である。

私は現在B&Wの803D3をメインで使っている。分不相応な高価な買い物であったが、購入 の決め手は立体的な音場表現に感銘を受けたからである。この音で音楽を楽しめるなら自 分にとって人生が豊かになる有効な投資だと感じた。Z700-FE108SOLもそれと同様で、理屈抜きに感性に訴えかける力をもっている。私はクラシック音楽を聞いたりクラシックギターを演奏するのが大好きであるが、オーディオマニアではない。単純に質の高い演奏を最高の音で楽しみたいだけである。しかしながら、自分で組み立て、塗装したり突板を張ったりするのは手放しで楽しい。完成後のポート調整もマニアでない私でもあれこれ試したくなる。自分で手間をかけるキットだから完成品より安価で大歓迎だが、むしろキットを自ら組み立て、スピーカーを作り上げるチャンスを与えてくれる大山さんに感謝すべきであろう。あなたの自宅を訪ねた方はZ700-FE108SOLを見たら必ず、「自作ですか?」と聞くはずで、それに対し、誇らしげにZ700-FE108SOLについて雄弁に語る皆さんの姿が目に浮かぶ。自作はとてもわくわくするし、大きな達成感が得られ実に素敵なことである。

Z700-FE108SOLはダボ付キットを選べば不器用な方でもおかしな歪みや隙間なく組み立てられることが保障されている。ということは、仕上げは抜きにして、誰がZ700-FE108SOLを買って最高の音が手に入れられる。自分で組み立て、初めて音出しをする時の気分は最高で、充足感で満たされる。

Z700-FE108SOLを手にすることで誰もが投資金額を遥かに上回る最高の音を手に入れられる。繰り返しになるが、Z700-FE108SOLは素晴らしい出来栄えのスピーカーで、大山さんを中心にした音工房Zの皆さんの魂がこもっているから実現したのである。

あえてZ700-FE108SOLの弱点を指摘するならば、同時に試聴したZ1000-FE108SOLの方が音楽を表現する空間の大きさが一回り大きいことであろう。これは贅沢な悩みである。 Z700-FE108SOLはあなたのかけがえのないパートナーになると同時に、もはや一つの優れた楽器として輝かしいオーラを出すことは間違いない。

(補足)
試聴会を開催いただいた大山さんには感謝したい。オーディオマニアでない私であるが、 大山さんの音に対する探究心には大変刺激を受け、スピーカーは間に合っているのに無性に自分で作りたくなってしまう。正しく発揮した情熱とは自然と人を動かすものである。これからも魅力的な音を自作キットで安価に提供していただければありがたい。整然とした草加市の工場で全てカッティングしているメイドインジャパンであることもこの時代では奇跡であろう。昨今の音楽試聴環境をみると、iPhoneなどで圧縮された音を、適当なイヤフォンや中音が抜けてしまう安価なBluetoothイヤフォンで聴いている方が実に多い。住宅環境にもよるが、やはりしっかりしたスピーカーで、ある程度の大きな音量で音楽を楽しむ醍醐味も味わってもらいたい。
大山さんにはZ601-ModenaキットとBluetooth付の小型デジタアンプを5万円程度でセット販売し、特に若者にイヤフォンでなく、スピーカーで音楽を楽しむ幅を広げるような提案をしていただきたいものである。自作の達成感と美しい音の両方を楽しめ、これにはまる若者は少なからずいるはずである。そして彼らは次のステップで更に大型の大山モデルの潜在顧客になるはずである。

 

 

HM様
先日はZ700の試聴会に参加させていただきありがとうございました。
音楽をよく聴くようになり、スピーカー等オーディオ機器に少し目を向けるようになっ
て1年ほどの素人で、視聴ポイントが定まっているわけでもないのでうまくまとまりませんが感想を送らせていただきます。

ここ数か月、普段自宅ではZ701-Modena BHBSminiの旧バージョンを使用しています。 用意してくださった音源のなかで最も耳に馴染みのあったものはEmilie-Claire BarlowのThe Things We Did Last Summer でしたが、ベースの音が数段生々しく響いたのが印象的でした(この比較対象はZ701-Modenaではなく別のスピーカー)。カーペンターズのTop of the Worldは今までどこで何回聴いたかわかりませんが、平面が立体になったかのようでした。持参した上原ひろみトリオプロジェクトのSPARKは、ドラムを追う感覚で聴いていますが、家で聴くよりより締まりと迫力があった気がします。
  Z700-FE108Sol、Z1000-FE108Solは直前直後で比べれは違いはあり、Z1000の
ほうを長く聴いていたいと思いましたが、曲によっては違いは全然わかりませんでした

あれも、これもこのスピーカーで聴いてみたい、という気がしていますが 実物はけっこう大きく、スペースその他問題があり難しそうなのが残念です。

 そのほかひそかに驚嘆していたのは、試聴室におかれていた各スピーカーの仕上がりのきれいさです。 メーカーでプロなのだから言葉にすることではないのかもと思いますが。Z701Modena購入時に 各種塗装・突板セミナーを同時購入しなかったことを今さらながら後悔しました。購入したからといってきれいに仕上がるというものでもありませんし、どちらにせようまくはできないからということで購入しなかった記憶がありますが、知識経験の無さを多少なりともカバーすべきでした

やはり仕上がりのきれいなスピーカーから音がでてくると気分が違います。
Z701の組立そのものは、材の精度の高いカットのおかげでDIY等の経験がなくても一応なんとかなりました。

 

福島様

 

今回はスーパースワンやZ-1000-FE-108SOLなどとの聴き比べという貴重な経験をさせて頂き本当に有難うございました。3路スイッチャーで瞬時に切り替えれば環境や機器の差異などはないので、それぞれのスピーカーのキャラクターが非常に良く差が分かりました。また今回は試聴会で色々わがままを聞いて頂き有難うございました。折角ですので、そのわがままの部分のレビューをさせて頂こうと思います。

普段Z701-ModenaBHBSmini に Z501 を加え常に「小音量」で聞いているという、恐らくは少数派に属するリスナーではないかと思いますが、これはこれでとても気に入っていて、小音量でも音量を上げてもオルガン系ジャズバンド等との相性はバッチリです。殆どの試聴会では、ある程度音量を上げてモニターすると思いますが、今回は一通り聴かせていただいた後、会場にあった突板のキレイなZ701-ModenaBHBSminiVer.2とZ700-FE108SOLの小音量での聴き比べをさせて貰いました。ユニットの能率が違うので、都度アンプで同じ音量に併せて差を確かめるなど、普通はさせて貰えないであろう事にもご対応頂きました。ポイントはズバリ下がどこまで聞こえるのかでした。というのは、何しろ小音量なので、ある曲のうち一部分のベースの最も低い音だけに物足りなさを感じることがあり(ちなみに音量を上げればZ701-ModenaBHBSminiで聞こえる領域です)、その部分がZ700-FE108SOLの強力なドライバーとエンクロージャーでどう変わるのかに興味津々だったからです。今回のソースはNitin Sawhney の Beyond Skin 主体でした。

最初はある程度の音量で聴き、気になるフレーズのところで両者を比べました。両者ともいい鳴りっぷりです。聴き比べると8cmスピーカーとサイズ半分のエンクロージャーのZ701-ModenaBHBSminiが望外の健闘をしてくれ、オーナーとして喜ばしい気分になりました。2台並べていたので「こんなにちっちゃいのに!」と感じる、言わば視覚的な効果もあったのかも知れませんが・・。ここから音量を下げて行きますが、やはりZ700-FE108SOLは(同じくスイッチャーに繋げてあったZ-1000-FE-108SOLも含めて)一枚上手で、小音量でも余裕がありました。まあ、こういう聴き方をしている人がどの程度いるかは分かりませんが、私としては非常に参考になる経験でした。

もう一点、Z700-FE108SOLにZ501を合わせるとどうかですが、これもZ701-ModenaBHBSmini と Z501の組み合わせの小音量での比較になりますが、Z700-FE108SOLは私の耳には上までキレイに出ていて、小音量でもZ501の出番はないかな、との印象を受けました。そのまま音量を上げればZ501とZ700との組み合わせでは高域過剰になるかとも思いましたが、私の耳には良くバランスしていましたし、フルレンジの定位感を損なうものではなかったと付け加えたいと思います。

 

 

■■Z700-FE108Sol Q&A ■■

 

 

完成品を販売してもらえませんか?

誠に申し訳ございませんが、こちらの商品は現状組み立てキットのみの販売となります。108Solの完成品はZ1000-FE108Solとして販売いたしております(音の傾向は少し違います)。

 

 

返品は可能ですか?
以下のものは返品・交換・返金の対象になります。
★音道部分の幅の相対誤差が0.5mmを超える場合。
★音道以外のパーツで組み立てに大きな支障がでる場合
★輸送中の事故

以下のものは返品・交換・返金の対象になりません。

★主観的な音に関わること
★板のそり、5センチ未満の小口抜け、木色合いの違い、
突き板の継ぎ目などがあること

バーチベニヤ木口抜け・パッチ、剥がれは返品の対象になりますか?
返品対象にはなりません。

バーチベニヤのにはパッチがあるものがあります(写真1)
なるべく外観から見えないような木取りをしております。

木口抜けや焦げは木材の節部分にあたるのですがどうしても避ける事ができません。外観上見える部分の長い抜け(5センチ以上)に関しては当方でパテ処理等をいたしておりますが、それ以下の抜けに関しましてはお客様にパテ処理をお願いいたしております。(写真2)

 また端面の剥がれは極端に大きいものは極力入れないようにしてるのと補修の仕方をユーザー様には動画で解説しています(写真3)

 

スピーカーユニットなしもOKですか?

はい。キットのみも可能です。(スピーカーユニットは弊社のストックがなくなりましたら完売になります。)

 

■■ Z700-FE108Sol 仕様 ■■

適正ユニット   FE108Sol
周波数特性    40hz~35khz
出力音圧レベル 90dB(2.83V/1m) 弊社無響室での測定値
最大入力     15W(NOM.5W)
インピーダンス  8Ω
スピーカー 寸法  幅205mm×高さ900mm×奥行き297mm(ターミナル出っ張りを含めず)
スピーカー重量  片ch約13Kg(ユニット込み)

エンクロージャー形式 オリジナルバックロードホーン型
エンクロージャー材  ホワイトバーチベニヤ15mm


 

不明なことがございましたらこちらより大山に直接ご質問ください。

 

■Z700-FE108Sol■