Z1000-Bergamo
音工房Z開業12年目にしてできたフルレンジ1発フラッグシップモデルです。


- ■音工房Zのエンクロージャーにマッチする10センチフルレンジをマークオーディオと共同開発いたしました。
- ■剛性の高い15mm厚のホワイトバーチ材を採用しています。バフル面は2倍の30mm厚にして更に剛性を高めています。
- ■小口径スピーカーならではの定位の良さを最大限に活かすため、点音源を意識した面積の小さいバフルデザインを採用。
- ■ダクトにはテーパーダクトを採用。ヌケのよい低音再生に寄与しています。
- ■仕上げの突板には高級ギター等に使われることの多い銘木の「ホワイトシカモア」を初採用いたしました。

- ■1年に2回ほど生産いたしております。在庫がない場合、リンク先の「再販売お知らせ」にご登録いただくと再販売時にメールでご連絡差し上げます。
- ■ご購入の際に追加オプションを選択できます。▼ オプションを見る
Z1000-Bergamoの開発1
25Lの容積からスタート
Z1000-Bergamoは「音工房Zのフルレンジ1発のフラッグシップモデルを作る」という目標のもと、マークオーディオと日本の総代理店であるフィディリティムサウンドさんにご協力いただいき音工房Z用に改良したスピーカーユニットを開発するというところからスタートしました。このページから読みだした方はこちらのZ-Bergamoというスピーカーユニットの開発経緯からお読みください。
10センチのフルレンジスピーカーというのはフルレンジユニットの中で最も数が売れる商品です。FOSTEXの限定や長岡鉄男先生の設計でも10センチだけ特別多いことからも分かると思います。しかし、その分競争も激しく超ロングセラーと呼ばれるユニットは数えるほどしかありません。Z-Bergamoは競争激しい10センチフルレンジ市場の中でベンチマーク的存在を目指すべく、すでにノウハウと実績のあるマークフェンロンやフィディリティムサウンドの中島様に多大なご協力をいただきました。ここにて感謝・御礼申し上げます。
開業から12年近く経ちましたが、この間音工房Zのフルレンジスピーカーシステムは多くのお客様や自作オーディオファンのご支援のおかげを持ちまして、飛躍的発展を遂げることができたと思っています。多くのお客様からいただくメールでのご感想や改善提案・試聴会でのブラインドテストのフィードバック・自作オーディオファンや元プロのエンジニア様からのアドバイス・開発スタッフと製造スタッフの連携による短期間での大量試作・社内ブラインドテスト視聴、などなど。 このZ1000-Bergamoは私大山が一人で開発できたものでは到底なく、直接・間接的に多大な人的サポートがあり実現したものです。このプロジェクトに参加してくださった皆様に感謝・御礼申し上げます。
Z1000-Bergamoの開発はこれまでの12年間のノウハウを全投入するのはもちろんのこと、新たに多くの実験を行い、音工房Zのフルレンジのフラッグシップと呼べるものに仕上げました。音工房Zのホームページは開発経緯の文章は長すぎるとご指摘をたまに受けますが、今回行った実験を全て掲載するとさらに長くなってしまいそうでした(笑)。そのため開発途中に行った実験の詳細はスタッフブログのほうに掲載するというスタイルで書きたいと思います。
■総容積は25Lの容積からスタート
Z-Bergamoの試作ユニットを試している最中にも箱はいろいろ テストしていました。ですのでだいたいどんな感じの容積や音道でゆくかの構想はユニットの設計時に決まっていました。トールボーイタイプで容積の大きいものや、ブックシェルフの小型サイズにも入れて聞いてきましたが、サイズ感的には2020年に限定販売したZ1000-FE103Aの試作箱(約25L)程度の箱が最もマッチしておりここを基準に内部音道を変えてゆくことを決めていました。


FE103Aに比べればバランス的には遥かにローブースト系になりますので、箱はもう少し小さくても良いと予想していますがユニットの試作段階で印象の良かった25Lの側板を外せる箱を2セット作りました。今回の箱設計の方針はまず、この2つの25Lの容積箱で内部の音道をつめてゆきます。ある程度まで進んだら、容積小型化にチャレンジし、可能なだけコンパクト化にチャレンジしたいと思います。
いつものように、いろいろな実験やブラインドテストなどをしながら最高1台を作ってゆきます。できるだけ、自作スピーカーファンの方にも参考になるように書いてゆきたいと思います。箱開発は発見の連続で楽しいものですが、、、最後のほうは思うようにいかず苦しさの連続でもありました。
Z1000-Bergamoの開発2
実験1 総音道長を変える
「音道(おんどう)」という言葉は一般的な言葉ではないかと思いますが、弊社ではスピーカーユニットの背面を通る音の道という意味で使っています。弊社でやっておりますバックロードホーンバスレフ(BHBS)の音は多くの変数で複雑に変わりますが、「箱の総容積(何L)」「総音道の長さ(何m)」「最終ダクト(断面積と長さ)」は設計上、音への影響が非常に大きい3大要素と考えております。これからテーマにするのは「総音道の長さ」についてです。
音工房Zでは2022年の3月より、弊社で採用しているフルレンジの箱を音道長さを基準に分類しました。さらに詳しくはこちらをご覧ください。
◯空気室2つのZ701 ダブルバスレフ
○音道1.5m以下の短い音道のZ702 S-BHBS (ショート)
○音道1.5m以上の長い音道のZ703 L-BHBS (ロング)
今回のZ1000-Beragamoの総音道長はユニット開発中に複数の音道はテストをしていまして、総音道長さが1500mm以下のS-BHBSタイプの音道になるだろうと予想していました。まずはどのくらいの音道が良いかの手がかりを得る実験を得るために、音道長さ900mm~1500mmまで5段階程度にして測定・視聴・ブラインドテストを行います。
S-BHBSは音道を短くしてゆくと、動作的にはダブルバスレフに近づいてゆきます。ダブルバスレフとS-BHBSの違いは音道の長さとインピーダンス特性で分けていますが、明確でない部分もあります。音道を1500mm以上の長(L-BHBS)にすると従来型のバックロードに近づいてゆきます。インピーダンスを測定すると山が4つ以上でてくることが多いです。今回の実験は900~1500mm程度の音道長でどこがベストかを探る実験になります。
■実験する音道長の段取り
最初にどのような実験をするかを決める ために箱の総容積を固定して、内部音道の長さや構造を変えたパターンを机上でだし、エクセルの表におとしこみました。そして、この段取りに従って内部音道をMDFで大量に切り出しました。


この実験は音道の長さを複数変えており詳細はここに書くと非常に長くなるのでブログに細かい測定データをだしています(Z1000-Beragamoの箱開発1)。このページでは実験の概要と、下の3つの音道の測定結果、聴感レビューを書きます。
● 音道長さ900mm (「ダブルバスレフ」とします)
● 音道長さ1200mm( 「S-BHBS」とします)
● 音道長さ1500mm( 「L-BHBS」とします)




慣れるとさほど難しくないのですが、 うまくやらないと音道がずれてしまったり隙間ができて正確なデータがとれなかったりします。音工房Zの開発グループでは最近は 「クランプで組む人」と「測定する人」と作業を分業することで大量の音道パターンを短時間で特性測定&生の視聴ができるようになっています。
■周波数測定とインピーダンス測定の結果
以下のような特性になりました。弊社の無響室で測定した周波数特性は200Hz以下は正しくでませんので参考値程度 ですが、インピーダンス特性はそこそこ正確かと思います。




「ダブルバスレフ」も「S-BHBS」はF特もインピーダンスも似た特性ですが、音道が「L-BHBS」のほうは若干ローエンドが伸びています。「ダブルバスレフ」は典型的なダブルバスレフ特性でインピーダンスの山3つと谷2です。「ダブルバスレフ」と「S-BHBS」のインピーダンスは似ていますが、大きい山3つに、高域に小さい4つ目の山がでてきます。
S-BHBSとダブルバスレフを分ける1つのポイントはこのインピーダンスの山・谷の数です。音道が1.5m未満の短いS-BHBSは下の赤丸写真のような4つ目の小さい山ができる場合が多いようです。 ちなみに総音道が2m近い音道は弊社定義ではL-BHBS(長岡式は2m以上が多い)ですと、インピーダンスカーブに5、6個の山ができる場合が多いです。全体的な傾向としては音道が長ければ長いほどインピーダンスの山谷は多く複雑にはなります。今回はたまたま、弊社で定義した形に近くなりました。
なお、ここで掲載した箱の分類は弊社で便宜的に決めたものでございまして、元祖石田式BHBSや自作派の方で類似の方式を取り組まれている方の箱とは定義や分類の仕方が異なるかと思います。上記の分類は音工房Zの商品についてだけのものと考えていただけたら幸いです。
Z1000-Bergamoの開発3
音道長さを変えた社内ブラインドテスト
前回容積を25Lで統一した箱で音道の長さを変えて測定を繰り返しました。今日はこの3つのスピーカーのどれが鳴っているかがわからないブラインド状態で、私を含め3人の開発者によるブラインドテストを実施しました。ブランドテストを実施する前に、3つのスピーカーは視聴をしています。その時の私の感想としてはダブルバスレフかS-BHBSが好みで、音道が長いL-BHBSは違うかなと感じました。
音道の長さ違いがどこまで認識できるのかのテストという意味でも興味があり、さらに好みも記入してもらうことで人気投票にもなると考えました。総音道の長さ違いといっても、差は300mmづつです。仮にこれが1m,2m、3mとかぐらい大きい差だったらブラインド状態でもどれが鳴っているかを当てるのは難しくないと思いますが、今回は結構難しいテストになると予想しました。
音の差の認識は人によってかなり違いますので、人によっては「激変」でも、人によっては「何が違うの?」ということは往々に起こります。また、ブラインド状態でなく、内部の音道等が頭に入っていて聞くと、バイアスの影響を大きく受けてしまっているのが普通です。そのため、ブラインド状態の比較は必須と考えております。
複数名の開発者によるブラインドテストをおこなうことで、バイアスの影響を極力回避して、皆が「直感的に良い!」と思える構造に近づけてゆきたいと考えています。
■社内ブランドテストテスト方法
テスト方法はいつも聞いている低域が 豊かにはいっている音源10曲を使って、3つのスピーカーのどれが鳴っているかを当てるというものです。当てると同時に、好みのスピーカーを記入してもらうことにしました。テストはいつもどおり、事務の渡邉がどのスピーカーを鳴らすかを最初に決め、セレクターで切り替えてゆきます。開発の3名は被験者となり、どのスピーカーがなっているかわからない状況で記入用紙に淡々と答えを書いてゆきます。


スピーカーは試作用に作った2ペアのスピーカーと合わせて、Z-Bergamoを作った ときに最も参考にしたZ1000-FE103Aの試作箱を改良して3ペアにしました。
■結果
テスト条件と回答用紙はこちらです。どの箱が鳴っていたかの正答率としては、
大山 正答率 30問中19問
青木 正答率 30問中23問
佐々木 正答率 30問中13問
また、どの箱が好みかという票は↓でした
大山 DB 5票 S-BHBS 5票 L-BHBS 0票
青木 DB 0票 S-BHBS 6票 L-BHBS 4票
佐々木 DB 2票 S-BHBS 3票 L-BHBS 5票
なかなか票が分かれまして好みを反映している感じがします。私大山は音道が長いBHBSは一つも選ばずダブルバスレフと、短い音道のBHBSだけを選んでおりました。青木は逆に、ダブルバスレフを一つも選ばず音道が短いBHBSと長いBHBSを半々ぐらいに選択。佐々木は票が分かれていますが、傾向としては長めの音道を好む傾向があったようです。
全体の好みを足して集計すると、↓のよう でした。
DB 7票(23%)
S-BHBS 14票(46%)
L-BHBS 9票(30%)
全体傾向としては音道が1200mmのS-BHBSに最も多くの票が集中しました。さらに言うと、DBよりか音道が長いL-BHBSのほうが若干ですが多くの票がはいりました。私個人的には当初予想していたとおり、DBや短い音道を好みに選んでいましたが、スタッフの好みをいれて平均値をだすと長めのほうが良いというのが今回のブラインドテストの結論でした。どの方向性でいくかの結論はまだでませんが、当初予想したとおり1200mm~1500mm近辺のS-BHBSが有力かなという感じです。
Z1000-Bergamoの開発4
トリプルバスレフの実験
前回の社内ブラインドテストの結果次の事がわかりました。
◯音道の長さが1200mmのBHBSに票が集中した
◯900mmのダブルバスレフよりか、1500mmの音道の長いBHBSのほうが若干票が上回った。
◯聴感的にはハイ上がりのキツさは皆無で、どのスピーカーも十分低域がでている。実用を考えると箱のサイズがもう一回り小さくしても良いかもしれない。
ここからどのように音をつめてゆくかという点ですが、2つの方向性を考えました。
(方向性1)
音道は1200mm~1500mm程度のS-BHBSの中で音道設計は比較的長めで音道構造を詰めてゆく。容量は現在の25Lのままのサイズでゆく。
(方向性2)
容積を実用重視で小さくしながらも25Lのサイズに勝てないか挑戦。必然的に音道は短めになる。
方向性1が王道パターンで、方向性2はチャレンジパターンです。弊社のスピーカーは音重視のため箱のサイズはいつも大きくなってしまいがちですが、販売を10年近くやっているとニーズ的には小型箱のほうが確実によく売れるのが分かっています。
ですので可能な限りサイズを小さくしたいのですが、低音の伸びを重視すると箱のサイズだけはどうしても譲れない部分であります。そのため、毎度ある程度納得のいく音ができたら小型化にチャレンジするのがいつもの定石の設計パターンになっています。
■遊びでトリプルバスレフのテスト
小型版のダブルバスレフを試す前にひとつだけ遊びで、現状の25Lサイズで「トリプルバスレフ」を試してみました。実験前に段取りで制作した表でいいますと青枠にあたります。


このスピーカーをトリプルバスレフと呼べるかどうかはさて置きまして、こちらは実験のS-BHBSの真ん中の音道を一本抜いて空気室の深さを調整するだけなので、 簡単にテストができるのです。トリプルバスレフはやったことがありませんでしたが、この構造がうまくゆけば小型化する時に応用できないか?と期待しました。
トリプルバスレフの動作が正確にでていればインピーダンスの山が4つくっきりでるはずですが、果たしてどうだったでしょうか?無響室で測定した特性は右のグラフの実線部分です。弊社のS-BHBSを点線で表示していますが、比較すると4つ目の山のインピーダンスが明確にでているのがわかります。(赤丸)
シングルバスレフは山2つ。
ダブルバスレフは山3つ。
S-BHBSは3.5ぐらい。
トリプルバスレフは山が4つ。
S-BHBSの動作はダブルバスレフとトリプルバスレフの中間なのかなという気もします。
■トリプルバスレフの音のレビュー
実際こちらのトリプルバスレフを先日ブラインドテストで最も高得点だった S-BHBSと比較して聞きました。

前回のテストで最も得票を得たS-BHBSと比較すると、大差はないのですが力感が少し弱く音のまとまりが微妙に感じました。構造的には音道のベニヤが一枚ないだけの違いなのですが、F特以上に大きな差に感じます。
いつものおきまりの構造ばかりやっているとどうしても設計が保守的になっていってしまうので、たまにこういう遊び的なチャ レンジをしますが、、うまくゆきませんでした。トリプルバスレフはインピーダンスの山が S-BHBSより明確に4つでるという収穫だけありました。トリプルバスレフの構造は次回エンクロージャーを小型化する時にもう一度テストしてみようかと思います。
Z1000-Bergamoの開発5
小型箱チャレンジ
今回は25Lの箱を18Lまでサイズを落として比較するために、18Lの小型の箱を制作しました。
↓の写真左が25Lの箱、右が18Lの箱です。

この容積違いのテストは実はZ-Bergamoのユニットのスペックを検討している段階にも似た実験をしています。その時は「小さい箱でも鳴るには鳴るけど、 フラッグシップとしてのZ1000にするのであれば25Lは欲しいね」という結論でした。今回再びこの実験をする気になったのは、大きい箱でだいぶ音道の傾向がつかめてきたので再チャレンジしたくなったのと、前回のトリプルバスレフ構造を小型箱で聞いてみたくなったのです。ダクトをテーパー付きのものに付け替えをしたうえ、いくつかの音道パターンにて本命の25Lと対決させました。
できれば小型化したい。
けど低音は犠牲にできない。
「Z1000-Bergamoには25Lは必要!」という 私の認識が果たして変わってくれるかどうか?
対決1■25L(S-BHBS) VS 18L(ダブルバスレフ)


モノラルでの特性測定とステレオでの音楽での視聴を行っています。
前に掲載したF特と比較してもらうとわかりますが、ローエンドが落ちるのがはやいです。容積を小さくしたことが如実にでています。聴感では低域の迫力や伸びの点において25LのS-BHBSに軍配があがりました。ただ、それもローエンドを多く含んだ音源でなければ差は僅かで人によっては好みでダブルバスレフを選ぶ人もいるのではないかと思えます。容積25Lで音道長が1500mmあるS-BHBSとセレクターで瞬時比較で聞くと若干低域の余韻感がS-BHBSにあります。ダブルバスレフのほうがそこはすっきりしています。
対決2 ■25L(S-BHBS) VS 18L(S-BHBS)


こちらもモノラルでの特性測定とステレオでの音楽での視聴を行っています。
こちらも特性上ローエンドが60Hzあたりから落ちだしている感じです。聴感で比較しても25Lとは正直勝負するのが難しい感じです。低域の僅かな余韻感は似た音道なので差はほとんどありませんが、これなら18Lのダブルバスレフのほうが良い印象がありました。
■対決3 25L(S-BHBS) VS 18L(トリプルバスレフ)


低域の量感と伸びは自然でしたが、25Lの箱と比較するとパンチ感がイマイチ足りない印象でした。やはり箱の容積でローエンドの伸びは決まってしまうのがわかります。
ただ、前回25Lで試したトリプルバスレフよりかなぜか18Lのトリプルバスレフのほうが印象は良かったです。小型化したトリプルバスレフもやはり4つ目のインピーダンスの山はS-BHBSより大きく出ます。トリプルバスレフはちゃんと詰めてゆけば今後使えそうな気はしますが、、25Lの箱にはどんなに頑張ってもかなわないと思いました。
18Lの小型箱の順位としては
ダブルバスレフ>トリプルバスレフ>S-BHBS
でした。
小型のダブルバスレフ18Lの箱だけは低域を犠牲にすれば候補かなという気はします。ブラインド状態で聞けば超ローエンドを含んだホテル・カリフォルニアとかでなければほとんど違いが分からないレベルといって良いです。弊社にあるローエンドを多く含んだマニアックな音源は一般のユーザーさんはあまり聞かないのも分かっています。売れるかどうかで考えると18Lのほうがスリムで有利なので、こちらの外寸箱でいきたいという気持ちもあります。
この迷いは毎回のことです。
40Hz以下のローエンドが多くてでているが、容積が大きい箱を採用するか?ローエンドは妥協して実用性的な小型箱を取 るか?です。過去にこの違いを比較するブラインドテストも行ってきましたが、票がある程度割れることになるのも分かっています。どちらの容積をベースに行くか一晩考えることにしました。
Z1000-Bergamoの開発6
実験2 音道斜め(テーパー)実験
悩みましたが今回Z1000-Bergamoとして出す箱の総容積は25Lの大きい箱で詰めていくことにしました。18Lの箱が悪いかというとそんなことはなく、特に小型のダブルバスレフは好みでこちらが良いという方も多いと思います。まだ未決定ですが将来キットとして出すものについてはこちらの18Lのサイズで調整しても良いかなと考えています。
これまで25L容積で作った実験箱は、現時点でも完成度の高い音を出してくれています。総音道の長さと、最終のダクトをどのあたりにもってゆけば良いかはつかめているつもりで大きな不満点はありません。改善できるとしたら 「低域の抜けの良さ」と「中域のディップ」 を少しでもフラットにすること。
といっても、あるレベルまで音が調整されるとその先は好みの問題になってくるので、良くなっているか悪くなっているのかがわからなくなってしまいます。もう少し調整をして候補を絞りましたら、お客様をお招きしてのブラインドテストや生視聴会を実施したいと思います。
BHBSの設計で最重要指標である「総容積」はほぼ決まりました。「音道の長さ」もだいたいあたりがついています。この段階で多くの実験を行いましたが、ここでは音道をテーパー化した実験の結果を紹介します。スロートの長さや、第2ダクトの長さ、第1空気室と第2空気室の容積比率等の実験も行っています。こちらについてはブログのZ1000-bergamoの箱開発2をご覧ください。
■実験2「音道斜め実験」
下の写真をご覧ください。音道の一部を斜めに、音道長のパターンを複数段取りを考えた表です。


一部の音道を斜めにすることで空気室を含め音道の半分ぐらいはテーパーがついています。全ての音道にテーパーをつければもっとホーン形状に近づくから、音が滑らかに出て低域が増強されそうに思われる方も多いと思いますが、、私が昔に行った音道構造の全テーパー化の実験から低域が逆にでにくくなかったことがあり、全ての音道にテーパー(角度)をつけすぎるのは好ましくないと思っているんです。特に角度の大きなテーパーは難物です。
長岡鉄男先生の作例でも、初期のものにいくつかテーパーをつけたバックロードがありましたが晩年のものはほとんど直管だけで構成されています。これは単に作りやすさだけからそのようにしているわけではないと思います。元祖石田式BHBSでも音道のテーパーは部分的にアクセントのように使われているようです。石田さんからBHBS内部に部分的にテーパーを使うノウハウを教えていただいたことがあります。
私個人的の考えですが、音道内にある直管を少なくしてテーパーをつけすぎるとバスレフや共鳴管としての動作が弱まってしまって結果的に低域がでにくくなるのではと思っています。ご存知の通りバックロードの動作原理は単純なホーン動作だけではなく、バスレフ、共鳴、迷路、ホーンのミックスです。
なぜ今回の実験を行ったかと申しますと、テーパーと直観の測定と聴感でどの程度差がでるかを知りたかったことと、テーパー化することでどのようなメリットが得られるか?音道のうちどのくらいの部分をテーパー化するとどのようなメリットが得られるのかを知りたかったのです。
■測定結果を検証
40パターン程度での測定をチームワークで1日程度でやり抜きました。昔私が一人でやっている時は3,4日かかっていたことです(汗)。


音道にテーパーをつけたものと、つけていない直管のものを比較してみましょう。音道の長さ等はもちろん同じです。実線がテーパーで、点線が直管です。
測定上は直管もテーパー付きも違いは極僅かです。直管のほうが120Hzあたりのディップが小さくて音が良いように思えます。しかし、これが実際に視聴した時に音が良いかということとはあまり関係がありません。テーパー付きの特性のほうが特性が滑らかでよいのでは?という期待だけはもてます。
■インピーダンスと周波数特性から特徴的なものをピックアップしてステレオで視聴しました。
話が少し脱線しますが試作の視聴段階ではいつもやることですが、↓の写真のように弊社のマルチウエイスピーカーや市販の100万クラスのSPも比較用に加えながら開発を行っています。フルレンジとマルチウエイでは評価の基準が違うのですが、双方を比較視聴することでフルレンジのメリットとデメリットを認識しながら強みを伸ばしてゆきます。


話をテーパー化した音道に戻します。結論としてですが、何パターンか視聴しましたがやはり音道大半にテーパーをつけてしまうとローエンドだけは良いのですが、低域から中域にかけて全く力がない感じになりました。それまでに作っていた直管で構成した音道のほうが一聴して良いのが分かりました。周波数特性の測定は大事だけど、ステレオで作って生の音源で視聴をしてみないと何も分からないものです。
今回の実験で分かったのは、音道のテーパー化については一部にとどめたほうが良いという従来の結論と同じになりました。 ただ、テーパーについては角度や長さを変えてゆくと無限に近いパターンが考えられることで、話を単純化・一般化するのが難しいところです。
時間と木材をたくさん使ったので、全テーパー化で凄いのができないか一瞬期待してしまいましたが結果的にはここでは音の改善につながる収穫は得られませんでした。バックロードの音道作りは失敗と挫折の連続です。
Z1000-Bergamoの開発7
実験3 音道配置「縦」と「横」で
前回は音道全体を斜めに5度傾ける実験と結果を紹介しました。悔しい結果に終わりましたがクヨクヨしてても仕方ないので次に進みます。音道構造を極端に変える実験です。音道の長さと、全体容積は変えません。イメージを掴んでいただくためなので細かいツッコミはなしでお願いします(笑)下の2つのイラストのバックロードホーンの音道構造をご覧ください。


どちらも箱の容積は同じで、総音道長、空気室、スロート、広がり率、最終ダクトの定数等音に影響を大きい部分はほぼ揃っていると考えてください。何が違うかというと、音道自体を横に折り曲げているか、縦に折り曲げているかという点だけです。
これで音が変わるのか?
というのを測定結果としてどうでるか、聴感でどう変わるのかを試す実験です。
私のこれまでの経験上、この「音道配置」という問題はあまり言う人はいませんがバックロードの音にけっこう大きな影響を与えるものと思っています。大昔、たしか開業直後になりますが、 長岡鉄男先生のスーパースワンの低域は良いけど「あのデザインは無理」というお客様がいらっしゃいました。スーパースワンの音道構造を細かく計算してだして、その音道と基本おなじ広がり率で強引に3本の直管のスピーカーにまとめる試作を作って提案しようと思ったことがあります。
写真が残っていたので、作った試作を掲載します。


スーパースワンの音道は直管が6本の構造で、最初の首の部分以降は180度の折返しが続く構造となっています。スワンとの音道構造の違いは折返し方だけで、広がり率とか全て同じにも関わらず音は全く違うものでした。中低域から中域にかけてすっぽり抜けたものとなり、お客様には提案できず「ボツ」となりました。このときの苦い経験以降「音道の配置」で音が変わるのは当然という認識で設計を行ってきました。
概して言いますと折り曲げが2,3回で長さが900mmある直管の構造にしますと共鳴管の動作が強くなる感じでローエンドだけは伸びますが中低域から中域が不足することが多い気がします。あと、スパイラルホーンのように、90度でぐるぐる回るタイプのスピーカーも似た音の傾向な気がします。スワンやD10タイプのような同じ長さの直管を180度で5,6回か折り曲げるものが低域全体を能率よく持ち上げることができると感じています(D37等はその中間)
ここまでの話は10年以上前に得たものですが、バックロードホーンはできるだけエクスポネンシャル形状に近づけたほうが良いとかいう考えは完全になくなっておりました。そこから先はBHBS形状というダクトを絞りこむ構造が主体になりましたので、設計のポイントは少々違ってきてはいます。
■行った実験と結果について
話が逸れましたが、今回の音道配置の問題はスワンを直管3本にした時ほど極端なものにはならないのは分かります。段取りとしてエクセルにて音道の長さをいくつかのパターンに分けてだしました。


こちらも多くのパターンに分けて測定をしましていろいろな情報が得られましたが、実験してきたリファレンスと比較して生の音の差はどうだったでしょうか? リファレンスは音道をほぼ「横」に並べていますが、今回の実験用のスピーカーは「縦」に音道を配置して音道の長さを変えています。音道の長さと広がり率はほとんど同じで、縦配置と横配置にした時の特性の比較は上のF特グラフです。
直管とテーパーを比較した時と同じようにそこまで大きな差がないように見えます。複数測定したなかから数点をピックアップして音源で視聴しました。リファレンスの不満点であった100Hzあたりの膨らみを軽く抑えて、ローエンドが綺麗に伸びてくれる音道が見つかり、ステレオで聞きまして初のリファレンス超えとなりました!!(この実験をしている最中に行った別の音道構造を試した実験はZ1000-bergamoの箱開発3をご覧ください。)
当初この実験のあとに以下の3つの候補でブラインドテストを実施しようと考えていました。
●前回失敗した「テーパー音道」
●今回うまくいった「縦配置音道」
●「横配置音道(リファレンス)」
ここまで良いとブラインドテストする必要もないほど満場一致で「縦配置音道」が皆から選ばれました。そのため「縦配置音道」と同じものを2つ制作し、BHBSに最大の音の影響を及ぼす「最終ダクト」を変えた比較ブラインドテストを行いたいと思います。設計がいっきに進み、富士山で言うと8合目まで来た感じです。
Z1000-Bergamoの開発8
最後の難関ダクトの長さ決定
Z1000-Beramoの 「箱の容積」「音道構造」をつめてきましたが、今日は最後のダクト調整についてになります。 バックロードホーンでいうところの最後の音がでるホーンの開口の面積をどのくらいにするかは音へ大きな影響があります。 弊社で採用しているバックロードホーンの音道部分の最後を絞るBHBS方式においても同様に音の出口にあたるダクトの面積や長さは大きな影響があります。
従来型のバックロードの場合、デザイン上などの理由から最後の開口面積を設計後に変えることはできなくはないですが結構難しいです。 昔に↓のようなことをやっていましたが、 あまりスマートではありませんね(笑)


一方のBHBSの場合、ダクトの径や長さ変更は後々の変更も簡単な上デザイン的に目立ちにくいです。 開発側にとっても設計をつめるのが楽ですし、利用者の側にとってもスピーカーを組み立て後にもお好みの調整をすることが簡単にできます。 BHBSがもつ構造上最も優れた点の一つがこのダクト調整の部分にあると思っています。
このダクトの径と長さで音は大きく変わるので、これまでの設計段階においてもダクトは写真のように複数パターンを用意して差し替えてテストを頻繁に行ってきています。弊社のBHBSのダクト調整の話は商品の使いこなしレポートやメルマガでも書いたと思いますが、基本的なところをおさらいします。
■基本はバスレフ動作
BHBSのダクトの調整は原則バスレフダクト調整と原則同じと考えていただいて大丈夫です。 (BHBSのBHはバックロードホーン、BSは バスレフのことです。) ダクトの径が同じでしたら、ダクトの長さにより共振周波数の位置が決まります。
◯ダクトを長くすれば長くするほど低域の下の方(超低域)の量感が多くなり、
逆に低域の上の方(中低域や中域)の量感は少なくなります。
◯ダクトを短くすれば
短くするほど低域の上のほう(中低域や中域)の量感が多くなり、
逆低域の下の方(超低域)の量感は少なくなります。
シーソーみたいなものでして、どちらか1方を上げると、どちらか1方が下がるという関係にあります。絶対の正解があるわけではなく音源や各人の好みによっても変わります。
BHBSの場合は普通のバスレフのように一つの空間ではなく、内部に音道がありますのでバスレフと完全に同じにならないのが少し厄介なところです。 多分音道の長さや、箱の内部構造によって ダクト調整の方法は多少変わるんだと思います。これは研究テーマとして面白いので今後やってゆきたいと思います。
BHBSのダクト調整と、通常のバスレフダクトの調整の違いで現時点でわかっていることが1つあります。それは測定をするとわかるのですが通常バスレフは長さや径を変えるとリニアに共振周波数が動いてゆきますが、BHBSの場合はリニアではなくある地点から急変する場合があるということです。音道が短くダブルバスレフに近いほど、動作はリニアですが、音道が長くなればなるほどバスレフ動作は弱まってリニアからは遠ざかります。
Z1000-Bergamoは音道1.5m未満の音道ですので、バスレフの動作は比較的リニアに動きます。利用するダクトの径は決めていましたので長さを6パターン測定、3パターンで視聴を行いました。 3つのダクトのインピーダンスカーブを見ると、見事に第1つめの山の位置がずれています。


つづいて、実際の視聴を行いました。 箱の容積と、内部音道は前回までに決定したので全く同じものをボンドで接着しました。 いつもよく使う低域に特徴のある音源を 2時間ぐらいダクトを3パターンに入れて聞き込みました。
聞く音源によってベストは変わりますが、どれかに絞るとしたら100mmぐらいかなという印象でした。開発スタッフも似た感想でした。 吸音材と、スーパーツィーターの調整も行いました。 空気室に1枚だけミクロンウールをいれ、 スーパーツィーターは1.2μFで試しに聞きました。 Z-Bergamoは10KHzぐらいからよくでているので、スーパーツィーターは不要かと思い ましたがやはり音は圧倒的によくなりました。 「吸音材なし」と「吸音材+スーパーツィ ーター」で比較試聴したところ圧倒的に後者に軍配があがりました。
ダクトの長さは、次回の試作段階の最終試聴会でお客様のご意見をお聞きして最終決定をすることにしました。
Z1000-Bergamoの開発9
試作最終段階の試聴会
2022年3月8日に試作最終段階のZ1000-Bergamoの試聴会を実施いたしました。19名の方にご参加いただきました。 試聴会は10時から17時まで1時間で7回行いました。 お客様に現状の試作版の評価をお聞きし、ご意見を最終仕様に反映させていただこうと思ったのです。
あまりに評価が良くない場合は、設計をふりだしに戻す覚悟です。 試聴会では音工房の試聴会で定番になりました「ブラインドテスト」を実施させて いただきました。 今回のブラインドテストは 「BHBSのダクトの長さ」違いのスピーカー を2つ用意して好みのほうを選択してもらことにしました。 テストは試聴会に参加していただいた方 に被験者になってもらい2つのグループに分けました。
●10時から13時までの前半グループは、
Aというスピーカーのダクト長は100mm
Bというスピーカーのダクト長は75mm
● 14時から17時までの後半グループは,
Aというスピーカーのダクト長は100mm
Bというスピーカーのダクト長は130mm
でした。
下の写真のようにスピーカーを2セット用意しました。ダクトの長さ以外の箱の容積・内部の音道条件は全て同じに揃えました。


違いはダクトの長さだけです。 ジャンルの異なる音源を10曲聞いてもらいます。 スピーカーAから1曲目が20秒ほど流れます。 続いてスピーカーBからも同じ曲が20秒ほ ど流れます。 被験者は最初に鳴ったスピーカーが好きか、後に鳴ったスピーカーが好きかを記入してもらいます。 どちらがAかBかは被験者には分からないよ うにしてあり、AとBはどちらが先に鳴るかは曲ごとにランダムに変えています。


結果は全体的な傾向として短いダクトが有利な傾向がありました。特に後半グループでは顕著でした。お客様の全回答用紙はこちら。全体の集計はこちらをご覧ください。
ブランドテストは時間にして10分ほどで終了しまして、その後はお客様一人づつご持参のCDをご視聴していただきました。 音工房の試聴会はコロナ以降は、最大4名様に定員を制限しているので来てくださるお客様全員がセンターの席に座ってもらいご持参のCDをかけてもらっています。 Z1000-Bergamo以外の音工房のスピーカーを聞きたくて来てくださるお客様もいるので、セレクターで3つのスピーカーを選んでご視聴いただきました。
セレクター1:試作Z1000-Bergamoダクト長
セレクター2:試作Z1000-Bergamoダクト短
セレクター3:お客様ご選択のZのSP
フリー視聴時間では、開発者である我々もお客様ご持参の音源でどの様に鳴るかを確認しました。 ダクトが長いものと、短いものを聞いていただいたお客様には私のほうから、ご感想を個別にヒアリングさせていただきました。 皆様一様にBHBSのダクトの長さが僅か 3センチ違うだけでこんなにも音が変わる のかと驚いていらっしゃいました。
試聴会に参加してくださった方のご感想は こちらのページの【試作最終段階Z1000-Bergamo】 と書かれている文章をご覧ください。 参加してくださった皆様どうもありがとうございました。 ブラインドテストの内容と合わせて、 フリー視聴のご感想を聞くことができまして最終仕様の決定の大いに参考になりました。
聞いていただいた方の音の評価は高くここまでの苦労が報われた気がしたのと同時に安堵いたしました。
Z1000-Bergamoの開発10
完成しました
数々の実験や視聴、ブラインドテストを経まして、Z1000-Bergamoの容積、音道構造、ダクトの定数を決めました。 図面に落とし込みをしまして、実際に商品として販売するホワイトバーチベニヤと突板を使い弊社の職人が製作しました。 塗装もいつもお願いしている職人さんにお願いしました。


試作のMDF版と、完成品版のバーチベニヤ 版を聴き比べてみます。 試作のMDF版と完成品のバーチ版はベニヤの差というより、バフルの厚みが倍であることと大きな面取りをしてユニット周りが点音源化されていることのほうが影響が大きいかと思います。 箱の重量も試作版に比べて2kgほど重くなっています。
2つを聴き比べまして音の輪郭が完成品版のが明確で、低域が出る際にぼやける感じがなくスパッと出てくれます。 中高域はもともとうるさい感じは皆無でしたが、さらに洗練され聞きやすい音色になりました。 バフルの厚み、点音源化に近いバフルが効果を発揮してくれています。
本当に時間がかかりましたが、やっと完成しました。
Z1-Livorno並に時間とエネルギーを使いましたが、最近の音工房のレギュラー製品はスピーカーユニットから手掛けてやるので開発に2,3年かかるのが普通になってしまいました(汗) Z1000-Bergamoは私大山がこれまでに得た全ノウハウを全投入し、多くの方の協力をいただいて製作したフルレンジ1発のスピーカーシステムです。
開発に関わった人はあまりにたくさんいますが代表的な方だけここに改めて掲載させていただき、感謝の気持ちとさせていただきたいと思います。 スピーカーユニットの設計・開発にはマークオーディオ代表のマークフェンロン。 オーバーダンピング化する際に面倒な要望を引き受けてくださった、フィディリ ティムサウンドの中島代表。 BHBSエンクロージャーの産みの親であるスピーカークラフター石田健一氏。 弊社の試聴会に参加してくださいブラインドテストにご協力いただいたお客様。 そして、音工房Zの開発スタッフ・製造 スタッフのみなさま。
夢のフルレンジ1発のスピーカーシステム作りに終わりはありません。お客様からの評価を謙虚に受け止めてさらに上を目指したいと思っていますが、Z1000-Bergamoは現時点で最高のものが出来たと自負しております。
Z1000-Bergamoの特長
1. 音工房Zとマークオーディオの共同開発ユニットを搭載


Z-Bergamoは音工房ZのBHBS箱にマッチさせるために、特別設計を行ったオーバーダンピング仕様ユニットを採用しています。10センチフルレンジでは思えない低域と、鳴りっぷりの良さを両立しています。
2. ホワイトバーチベニヤを採用

エンクロージャーには音道を含め15mm厚のホワイトバーチベニヤを採用しています。ホワイトバーチベニヤは比重の重い高価な材質です。バフルには15mmを4tのプレス機で圧接して二枚重ねの30mm作りになっています。ユニットからエンクロージャーに伝わる不要な振動を軽減しクリヤーな音質をお楽しみいただけます。
3. 仕上げ材にはホワイトシカモアを初採用いたしました


スピーカーはホワイトバーチで製作し表面はホワイトシカモアのツキ板で仕上げております。硬度のあるウレタン仕上げでつや消し仕様です。高級ギターに採用例の多いホワイトシカモアは飽きのこない美しい木目で、所有の喜びを満たしてくれます。
4. テーパーダクト採用


直管バスレフダクトの癖をおさえる僅かなテーパーがついたダクトを採用しています。
5. 点音源を具現化したデザインをめざしました


バフルにはスピーカーユニットに沿って大きく面取り加工を施しております。バフルからの反射音を抑えてスピーカーユニットの音をリスナーに伝える点音源の考え方をベースにデザインにいたしました。フルレンジの定位感の良さをさらに引き立たせます。
- ■吸音材は、空気室にだけミクロンウールを貼り付けています。
- ■内部配線に高品位OFCスピーカーケーブルに金メッキファストンを標準付属 。
- ■高級感のある肉厚アルミ材を使用したスピーカーターミナル(ヘアライン加工) を採用しています。
- ■エンクロージャーは埼玉県の自社工場で製造を行っております。
Z1000-Bergamo 視聴動画
音工房Zリスニングルーム内を生録しました。
(動画アップロードできるまでもう少々お待ちください)
1. メールでの直接相談にお応えします。
代表の大山へ直接メールによる相談をすることができます。
スピーカーの制作、塗装、音出し、セッティング等で迷われたことがありましたらメールでご質問ください。
2営業日以内のご返信を心がけています。
(購入時メールサポート”希望する”をチェックしてください)
2. サポートメルマガをご購読いただけます。
音工房Zの商品を購入したいただいたお客様だけが受け取ることができる”サポートメルマガ”を定期的に受け取ることができます。 サポートメルマガでは新商品の割引案内や、通常メルマガには書けないコンテンツを配信予定です。 (購入時メールサポート"希望する"をチェックしてください)
Zユーザー様は過去配信のサポートメールの重要な部分をまとめた「購入者様専用サポートページ」にアクセスできます。
3. 「使いこなしレポート」をダウンロードいただけます。
スピーカーの使いこなしまでを徹底サポートする「使いこなしレポート」が購入者特典ページからダウンロードできます。

- ■1年に2回ほど生産いたしております。在庫がない場合、リンク先の「再販売お知らせ」にご登録いただくと再販売時にメールでご連絡差し上げます。
- ■ご購入の際に追加オプションを選択できます。▼ オプションを見る
試聴会参加者様の声
2022年3月8日に試作最終段階の試聴会、3月27日に完成版の試聴会を行いました。3月8日の試聴会は【試作最終段階Z1000-Bergamo】、3月27の試聴会は【Z1000-Bergamo】と冒頭に書かれたレビューをこちらからご覧ください。
よくある質問
以下のものは返品・交換・返金の対象になりません。
★板のそり、木口の色合いの違い、突き板の継ぎ目などがあること
★主観的な音に関わること
Z1000-Bergamo 仕様
ユニット | Z-Bergamo |
---|---|
周波数特性 | 40Hz~20kHz |
インピーダンス | 8Ω |
寸法 | 幅約221mm×奥行き約356mm×高さ約451mm |
重さ | 片ch 約9Kg (重量は木材の性質上多少前後します) |
ターミナル | 独立タイプ(バナナプラグ対応) |
内部配線 | OFCケーブル |
エンクロージャー形式 | S-BHBS 音道長さ1.5m以下のS-BHBSベースです |
エンクロージャー材 | ホワイトバーチベニヤ15mm(バフル部分のみ30mm) ホワイトシカモア突板 (突板の下地部分に一部MDFを使用しています。) |
塗装 | ウレタンつや消し塗装 |
Z1000-Bergamo同時購入オプション
サランネット(+9,800円)

マグネットで取り付け可能な専用サランネット。厚み8mmの極薄使用で、使用時の音への悪影響を抑えています。
エージング(+4,800円)

スピーカーユニット単体で20時間の大パワーエージングを行います。初期エージングを済ませた状態でお届けいたしますので、到着時にエージングが不要です。100%の実力ですぐにお聞きいただくことが可能です。

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- ■ご購入の際に追加オプションを選択できます。▼ オプションを見る